髪の毛は他のパーツと違い一本一本の毛の集合体なので、単体のパーツとして捉えるよりも髪の流れを描くような意識を持つと髪の毛っぽく描くことができます。できるだけ細かく解説していきます。

 

基本的な「リアルな髪」と「金髪に近い光の強い髪」の描き方を解説していきます。

 

【追記】

レアアイテム「アートナイフ(デザインナイフ)」を使うと、極細の光の線を引くことができます。かなり面白いやり方になりますので、興味がある人は以下の記事を参考にしてみて下さい。

 

道具とポイント「リアルな髪

用意する道具は以下6つです。

  • シャーペン
  • 10Bの鉛筆
  • 2Bの鉛筆
  • ノック式消しゴム
  • 綿棒
  • 髪の資料

※資料の参考サイト

ptohoAC 

O-DAN 

写真検索さん 

足成

 

※補足
個人的に鉛筆画の魅力は「濃さ」だと思っているので、常に10Bの鉛筆を使用しています。筆圧を弱めれば十分「濃さ」の調節もできますので。

 

意識するポイント5つで、

  • 髪の流れに沿って上から下に手を動かす
  • 徐々に濃くしていく
  • 鉛筆は常にとがらせた状態で描く
  • 消すという作業をしない
  • 時間をかけて繊細に描く

ということです。

 

描き方「リアルな髪」

まず髪の質感を表現することに慣れるのが第一なので輪郭のアウトラインはトレースで描きましょう。

トレースのやり方こちらの記事で解説しています。

 

 

アウトラインが描けたら資料を見てシャーペンでおおまかに髪の流れを描いていきます。この時に重要なのが髪の流れに沿って上から下に手を動かしていくということです。

 

当たり前に聞こえるかもしれませんが、描いているとつい斜めに線を入れてしまったり、下から上に手を動かしてしまったりするので基本は上から下に髪の流れに沿って描いていくということです。

 

また消しゴムを使って消し筋が残ってしまうと後で髪の流れにとても違和感がでてしまうことになるので出来る限り消すという作業をしないように慎重に色を乗せていくことが重要です。

 

 

濃い所は筆圧を強めに上から下に髪の流れに沿って描いていきます。

 

髪の分け目もしっかり意識して描くとリアルな髪に仕上がります。

 

なるべく一本一本規則正しいラインを描くように意識すると髪の毛の本来の質感に近づきます。色の濃い部分はシャーペンを短く持ち替えて描くとスムーズに描けます。

 

色の明るい所、暗い所をしっかり捉えながらこれぐらいまでシャーペンで描き込みます。

 

大体、全体の濃淡が決まってきたので、次は濃い部分を10Bの鉛筆で描いていきます。10Bの鉛筆は必ず鉛筆削りで先をとがらせてから描いてください。この時一気に濃くせずに筆圧をやさしめに線を入れていきます。明るい部分を避けながら描いていってください。同時に顔も描いていきます。

 

ある程度濃さが乗ってきたら次は2Bの鉛筆と綿棒で明るくもなく暗くもない中間ぐらいのグレーの部分を描いていきます。まだ大雑把な感じで良いと思います。

 

再び濃い部分を10Bの鉛筆で描いていきます。

 

シャーペンに戻し一本一本の毛を繊細に描いていていきます。基本的には10B、2Bで濃くしていき綿棒で中間色を表現していき、またシャーペンで一本一本を細かく描いていくという流れの繰り返しです。資料を見ながら暗い所、明るい所を分けて描いていきます。

 

影の強い部分を10Bで濃く描きます。濃さがあると鉛筆画の魅力がまします。

 

分け目の髪の動きも描いていきます。

 

上部の方は流れが一定なので描きやすいと思います。この辺りも10B、2Bで濃さを付け綿棒で伸ばしながら描いていきます。濃さが付いたら再びシャーペンで繊細な線を入れていきます。手の動きも「上から下に」一方向に動かしていきます。

 

際の辺りもシャーペンで描いていきます。

 

ある程度、濃淡が整ってきたら今度はノック式消しゴムの角を使って光の強い髪の毛を表現していきます。

 

ノック式消しゴムの角はすぐに鉛筆で汚れますので、汚れたら私は消しゴムをハサミで斜めにカットし鋭角にしてから再び光を表現していきます。

 

明るくした光の部分が明るすぎる場合は綿棒で濃さを調節します。

 

少しザックリになりましたが全体の微調整をして完成です。左半分は省略させてもらいました。作業時間は4時間半程です。

 

次にさらに詳しく、別パターン「金髪のような光の強い髪」の描き方を解説していきます。

 

道具とポイント「金髪のような光の強い髪

別パターン「金髪のような光の強い髪」の描き方を解説していきます。

髪の毛は根気強く描くのが最大のポイントです。ある程度時間をかけて描いたのに「イマイチだなあ」と思った時は、

その一つ先の領域を目指して、さらに時間をかけて描いてみて下さい。必ず上達を感じられるはずです。

 

用意する道具は以下になります。

  • シャーペン
  • 10Bの鉛筆
  • 2Bの鉛筆
  • ノック式消しゴム
  • さっぴつ
  • 綿棒
  • 髪の資料

 

※髪の資料【参考サイト】

O-DAN 

写真検索さん

足成

ptohoAC

※補足
個人的に「濃さ」で鉛筆画の魅力が決まると思っていますので、10Bの鉛筆を使っています。筆圧を弱くすれば「濃さ」の調節も可能です。

 

意識するポイントを以下にまとめました。

  • 髪の流れの通りに手を動かす
  • 基本、消すという作業をしない
  • 徐々に濃くしていく
  • 鉛筆を常にとがらせておく
  • 数十分おきに離れて見る
  • 紙をグルグル回しながら描く
  • 時間をかけて繊細に描く

描き方「金髪のような光の強い髪」

まずは金髪のような光の強い髪の資料を探しトレースします。

トレースのやり方こちらの記事をどうぞ。

 

トレースが完了したら髪の流れの通りに上から下に一方向に手を動かして繊細に描いていきます。下から上に手を動かしたり、斜めに動かしたりすると髪の流れが乱れてしまい、違和感のある髪の毛になってしまいます。

※なるべく理解を深めてもらうために向かって右側だけを最初に描いていきます。最後に全ての完成図を掲載します。

 

髪の流れを正確に捉えて描くために、必ず紙を描きやすい方向に回転させながら描いて下さい。ここを横着してしまうと最終的にきれいな髪の流れを表現できません。

 

そして、下の画像のような際の部分を描く時は必ず紙を回転させて影から光に向かって、奥から手前に線を引くようにして下さい。中央の光が当たっている部分から描いてしまうと、描き始め特有の強い筆圧が重なってしまい髪の流れがとても乱れてしまうことになります。地味なことですが、こういった細かい手の動かす方向を意識することが非常に大切になってきます。

 

これぐらいの濃さまでシャーペンで描きます。

 

次に10Bの鉛筆で濃い部分を先に全て描いていきます。筆圧を弱めにして描きます。

 

ある程度濃さが乗ってきたら次は2Bの鉛筆と綿棒で中間色ぐらいを描いていきます。その後シャーペンで繊細な線も入れながら濃淡をザックリ整えていきます。

常に強い光が当たった部分を意識するようにして下さい。

 

これぐらいの濃さまで描いたら、一度離れて絵全体を見てみて下さい。描き込みが足りない部分は描き込んでください。

 

再び濃い部分を10Bの鉛筆で描いていきます。筆圧は普通ぐらいの筆圧でいいと思います。際の部分はさっぴつでぼかしていきます。

 

ある程度濃さがついたらまた2Bに戻して描いていき、綿棒やさっぴつでぼかして、またシャーペンで繊細な線を描いていきます。下の画像ぐらいまで仕上げます。

基本、上記までに説明した手順の繰り返しで、髪の動き、濃淡を表現していくという流れになります。徐々に金髪のような光の強い髪が浮き出てくるはずです。

 

次にノック式消しゴムで強い光の当たった部分を表現していきます。極細の光の線を入れたい時は消しゴムの先をはさみでカットして線を引いてみても良いと思います。

※時に練ゴムを潰して繊細に線を入れていくのもアリだと思います。

 

指も使って自然なぼかしを表現します。

 

基本的に、10Bの鉛筆で濃さを上げていき、2Bや綿棒やさっぴつで中間色を描き、そしてシャーペンで髪の繊細さを表現していくという流れの繰り返しになります。

右側はひとまず完成とします。

 

左側も描き込みました。光が強い部分を強調したかったので、背景部分を塗りつぶして全体の完成です。

 

 

制作時間は10時間程です。上記の解説に沿って何作品か描いていけば、必ず上達できると思います。数日に分けて描いてみてください。