「リンゴ」は様々な画材で「基本のモチーフ」として扱われていますよね。それだけ描きやすく、スタートしては入りやすいモチーフと言うことになります。

 

今回は系統で言えば「リアル系のリンゴ」になりますね。

 

初級者さん、脱初級者さんぐらいを対象に"マネ"で描ける!!をテーマに、このページ自体を1つの「描き方講座」として作成しましたので、

リアルパステル画の技術を上げたい!!という方は是非このページをお気に入り登録して頂いてご活用頂ければと思います。

 

これから私が説明する手順で制作を進めてもらえれば、大きく外れてしまうことはないはずです。おそらく初級者さんでも、「おっまあまあリアルなリンゴになったぞ!!」ぐらいの着地にはもっていけると思います。

 

 

それだけ「パステルという画材が扱いやすい画材」ということも言えると思います。

 

なんと言っても指が筆が代わりになりますし、紙面上で直接色を混ぜることができる優れものなんですよね。失敗したら上から違う色を重ねていけば良いだけです。

 

 

是非今回の「リンゴの描き方」を通してパステルという画材の「柔軟さ」「楽しさ」を実感してもらえたらなあと思います。

それではスタートしていきます!!

 

 

あっ「そもそもパステル画の基本画材や紙や道具についてもっと知りたいんです!!」という方は以下の記事も合わせてどうぞ!!

 

ソフトパステル_リンゴの描き方
全手順

「モチーフと完成形の紹介」

まずはリンゴの資料と作品の完成形をお見せします。

リンゴはあらゆる画材で「初級編」として扱われるモチーフなので、パステル画の入りとしても非常にやりやすいモチーフになると思います。

 

今回リアルパステル画の基本事項として始めにお伝えしておきたいことは、紙に対して「モチーフを大きめに描く」ということです。

 

パステルという画材は、粉が大量に出て線が広がってしまう画材なので、モチーフを小さく描きすぎてしまうと細かい箇所のリアルな描写ができなくなってしまうんですね。

 

なので今回のリンゴのサイズが「A4サイズの紙に対しては、だいたい最小ぐらい」と思ってもらって良いと思います。ですのでこれ以上は小さくしない方が無難です。

 

もちろんリアル系じゃなければもっと小さくても良いと思います。

「紙と画材」

画材はソフトパステルパステル色鉛筆は必須となります。私はレンブラントのソフトパステルカーブオテロのパステル色鉛筆を使って描いていきますが、
私と同じじゃなくても全然問題ないです。とりあえずはあなたが今お持ちの物で進めてみて下さい。リンゴなので色数もそこまで多くありません。
紙はケント紙以外ならとりあえずは何でも良いと思います。ケント紙は表面がツルツルし過ぎていて、重ね塗りが必須なリアル系には不向きですね。
私は上の画像の「スケッチーズ」というサラサラした紙を使いました。この紙は質感は悪くないのですが、一枚一枚が薄すぎますね・・笑。なので決しておすすめの紙というわけではありません。数年前に練習用として購入したまでですね。

「リンゴの資料と輪郭線のトレース」

さあここからは実際の描写に写っていきます。

 

まずリアル系の作品を描く場合は、輪郭線を「トレース」で描いてしまうことをおすすめします。なぜなら単純に「リアルさの度合いが上がるから」ですね。非常にシンプルな理由です。笑

 

まあどうしてもトレースに抵抗がある・・という人は、リンゴぐらい単純な形ならフリーハンドでもいいかもしれませんが、できるだけ・・今回だけでもトレースで輪郭線を描いてもらえれば、その後の描写がスムーズに進むと思います。

 

まあ最終判断はお任せしますが、講座としてはトレースを使う流れで進めていきます。

 

 

【資料】

今回はA4サイズで描いていきましょう。先ほども言ったようにA4以下だとリアルパステル画としては小さすぎて不向きなサイズになってしまいますね。

 

以下の資料画像を「右クリック⇒名前を付けて画像を保存」にてダウンロードして下さい。

 

次に画像をUSBなどに保存してコンビニでプリントアウトします。今回はA4サイズカラー2枚プリントアウトして下さい。

 

2枚というのは1枚は描く時に見る用で、もう1枚はトレース用です。トレースは紙に筋が付いて汚くなるので、必ずもう1枚きれいな見る用の資料があった方が良いです。

 

あとトレースはカラーの資料でやらないと細部がしっかり読み取れないですね。モノクロ資料はやめた方が良いです。

 

なので今回はA4サイズカラー2枚プリントアウトして下さい。

 

 

【トレース】

 

トレース方法は以下のページに詳しくまとめていますので是非ご参照願います。

 

トレース方法

 

要は印刷した資料をテープ(3か所)で紙に貼り付けて、上からボールペンなり鉄筆なりでリンゴの形をなぞって、輪郭線を転写していくというだけの話ですね。おすすめは鉄筆です。

 

以下トレース後の画像になります。

ちょっとぼやけた画像で申し訳ございませんが・・・だいたいこんな感じでトレースできていれば問題ありません。

 

リンゴ全体の輪郭にプラス、内側の特徴的な模様や、くっきり色が分かれている境目もなるべくしっかりトレースしておいて下さい。後々それらが「ガイド」になってくれるので格段に描きやすくなりますね。

「リンゴの描写 前半」

 

さあここからはソフトパステル、パステル色鉛筆での描写に移ります。

 

進め方ですが、まずはソフトパステルで「見たままの色をどんどん乗せながら、ベースの"色分け"をしていく」ということですね。

 

細かい色分けは後々、少しづつ進めていけば大丈夫ですので、まずはザックリ目でも良いので資料を見ながら、ベースの色分けをしていきます。非常に大切な初めの工程になります。

それではスタートしていきます!!
【ベース(1段階目)の色分け】
始めは肌色ぐらいの色で上の方の明るい部分から描いてくのがやりやすいですね。
黄色っぽく見えるところはそのまま黄色を乗せていきます
端や底の影になっている部分は躊躇せず「こげ茶色」を乗せていきましょう。ソフトパステルのへりの部分を上手く使って、なるべく際からはみ出さないように描いていきましょう。
★ポイント★
まだまだ指で粉をなじませなくて大丈夫です!!
形ができていない序盤で粉をなじませてもあまり意味がないので、色分けが一旦片付いた段階でなじませていけば問題ありません。

このベースの色分けの段階でなるべく資料に近い色付けができればその分、後々の描写は楽になってきます。

ただ始めは伸び伸びと描いていって下さい。色を間違えたらまた正しい色を乗せていけば問題ありませんので。

それではどんどん進めていきます。

 

このぐらいまで来たら、濡れタオルで指をきれいにしてから粉をなじませていきます。
★ポイント★
粉をなじませる時は、ただなじませるだけではなく資料を見ながら、
「ここはこのまま赤色を伸ばすと黄色と混ざって良い感じになるな」とか、
「ここは指を変えてきれいな状態の方が忠実な色を表現できるな」とか、
「今は良い感じで指に濃い色が付いているからこのまま暗い部分に活かせるな」とか、
現状を考えながら粉を伸ばしていくことが大切です。
リンゴはほぼ球体なので球体の丸みやリンゴの形を意識して指を動かしていきましょう。乱雑に動かすと絵が乱れてしまいます。
際の部分は小指も使っていきましょう。
さあこれぐらいの感じになればベースの色分けとしてはとても良い状態ですね。
ヘタを描いていきます。ヘタは細かいのでさすがにパステル色鉛筆で描いてきます。まずはベースの黄土色を全体的に塗っていきます。塗ったら一度、綿棒かさっぴつで色を刷り込んでおきましょう。
次にこげ茶色ぐらいで暗い部分を描いていきます。
これぐらいまで描ければとりあえずはOKですね。これで初期段階のベースの色分けは完了しました。
先ほどもお伝えしましたが、このベースの色分けがしっかりできていれば後の細かい部分の描写が非常にやりやすくなりますので、現段階で資料と見比べて大きく不足している部分などがあれば、加筆しておいて下さい。

2段階目の色分け

さあざっくりの色分けとヘタが描けたので、ここからは「より正確な描写」をしていくフェーズに入ります。「2段階目の詳細な色分け」という感じですね。

 

もうある程度、形ができているのでここからは必要に応じて、描いたらすぐ指でなじませるといった流れで進めていって下さい。そうすれば現状の色合いをすぐに確認できますので。

 

それでは再び描いていきます。

リンゴの「赤」の中でも中央や際や下部の辺りは濃い目の「ワインレッド」ぐらいの赤でちょうど良いぐらいですね。濃い所はしっかり濃い目の色を使うということですね。
この辺りの中央やや左の特徴的な模様はしっかりトレースしておいた部分なので描きやすいですね。
さらにこの模様自体がガイドになってくれるので、その他の部分との色の対比にも役立ちます。
ここは明るめの肌色や黄色を少し入れていくと効果的です。

上部の光が強い所はそのまま「白」で表現して大丈夫ですね。

 

まだまだリンゴ表面の細かい粒(果点)は描かなくて大丈夫です。最後の方にパステル色鉛筆で描いていきますので。

 

底の影の部分は、暗めの黄土色で表現すると効果的です。
この辺りの中央から見て右上ぐらいの一帯は黄色を乗せていくと資料通りの絶妙な「リンゴらしさ」が浮き出てきます。
下の方の濃いめの模様はこげ茶色でしっかり付けていきましょう。描いたら指でなじませていきます。
リンゴの形がだいぶ浮き出てきましたね。このぐらいまで描けたら次は背景を描いていきます。

背景

背景を描く手順ですが、

まずは水色のソフトパステルでリンゴの輪郭線を囲うように描いていき、その後で広い部分を一気に塗っていくという流れが最も効率的なやり方になりますね。

 

ちなみに、背景を全て"パステル色鉛筆"で塗ったとすると・・・、面積が広すぎて気力、体力共に疲弊してしまう上に、仕上がりが筋だらけの汚い背景になってしまいますので、絶対にやめましょう笑

 

それでは背景を描いていきます。
きわきわの部分はさっぴつで粉を刷り込んでいくと、きれいな輪郭線を表現できます。さらにさっぴつを水色のソフトパステルに押し付けて色を付着させた状態で刷り込むのもまた効果的です。
こんな感じでまずはリンゴの輪郭線を囲えればOKです。
★ポイント★
この輪郭線を囲う工程ですが、

この工程で「きれいにリンゴの輪郭線を表現する」という意識を持って輪郭を囲っていって下さい。

現段階ではまだリンゴの輪郭が少し乱れた状態だと思うので、背景を描くと同時に「リンゴの輪郭もしっかり描く」という意識を忘れずに描いていって下さい。

ですのでこのタイミングで改めて資料を見て、リンゴの形を見直してみるのも良いかもしれません。

あとは一気に塗りつぶしていくだけですね。背景に関してはある程度塗ったらその都度指でなじませる、という流れで問題ありません。
 
こんな感じでビッチリ塗りつぶせればOKですね。

ソフトパステル_リンゴの描き方
まとめ

さあ現段階で7割ぐらいが完成した状態ですね。

 

ここからの工程で学べることは、

リアルさを爆上げするリンゴの描き込み
繊細な影を自然に描く方法(今後の制作にも超有益)
最後の仕上げ

といった感じになります。

 

さあその続きなのですが・・、

大変申し訳ございません・・ブログ記事としては一旦ここで終了とさせて下さい。

 

多分これ以上静止画と文章での説明を続けても、読んでいる側のあなたもシンドイと思いますし、理解にも限界がくると思います。

 

 

そんなわけで、「この続きも学びたい!!」という方の為に、

 

スタートからゴールまでの全工程を学べる「リンゴの描き方 動画講座」というものを開設しました!! 

 

「もっと学びたい!!」という方は是非そちらの方で存分に学んで頂ければと思います!! 本記事で説明してきた内容も含め、全工程を余すところなくまとめた動画講座になります。

 

もちろん無料で視聴できる動画講座となっておりますのでご安心ください!!さらにメールでの相談や作品添削も受け付けていますので、

 

この機会にパステル画の技術を上げたいっ!!とお考えの方は是非一度、下のページをのぞいてみて下さい!!