やっぱりパステル画の王道は風景画ですよね。大半の人が風景画に惹かれてパステル画を始めるようです。

 

さあ今回は【リアルパステル画】風景画は描き順が大事!ということで、風景画の描き順のノウハウを全公開していこうと思います!!

 

あっ私はリアル寄りのパステル画をメインで描いている画家のKeigoと言います。風景画も好きでよく描いています。

 

 

 

 

今回紹介する描き順はあくまで「私Keigoのリアル風景画の1つの描き方」ということになりますので、そこだけご理解頂ければと思います。ただ今後のあなたの制作にも確実に役立つ情報が満載となっておりますので是非最後までお付き合い頂ければと思います。

 

 

さあ今回はこの「木立」という作品の描き順をメインに解説していきます。あくまで今回は描き順の解説がメインとなりますのでよろしくお願いします。

 

 

 

 

画像の羅列での説明になってしまいますが、初級者さんにも十分わかりやすく解説していきますので是非よろしくお願いします!!それでは開始していきます!!

 

【リアルパステル画】風景画は描き順が大事!
1.「画材、紙、道具の簡単な説明」

 

画材は「レンブラントのソフトパステル60色」「ファーバーカステル ピットパステル色鉛筆60色」を使いました。やはり細部を描くのにパステル色鉛筆も必須アイテムですね。

 

 

 

紙は表面がザラザラした「サンドタイプ」のものを使いました。やはりリアル系にはサンドタイプがもってこいですね。大きさはB4サイズで描きました。風景画なのでA4サイズだとちょっと迫力に欠けるかなと思います。

 

 

 

 

その他の道具に関しては、細部の粉をなじませる時に使う「さっぴつ」と、紙の4辺をマスクする為の「マスキングテープ」を使ったぐらいですね。

 

ちなみにパステル画に必要な「画材、紙、道具」については下の記事で詳しくまとめていますので是非読んでみて下さい!!

 

 

【リアルパステル画】風景画は描き順が大事!
2.「実際の描写」

 

さあそれでは実際の描写を進めながら順序のポイントなどを解説していきますので、今後のあなたの制作に当てはめながら読み進めていって下さい。

 

トレース

 

まずはトレースにて輪郭線を描いていきます。風景画でトレースをするのも少し空しい気もしますが、あくまで「リアル系」なのでそこは割り切って進めていきます。

 

重要な最初の組み立て

 

さあ、ここからがとても大切な最初の組み立てになりますが、

 

「どのような描き順で進めていけば良い風景画になるのか? または無理なく効率的に進めていけるのか?」

 

ここを頭の中でしっかり設計できているかがカギになるわけです。これは他の画材の風景画でも同様です。

 

まず風景画というものは、一番手前(近く)の「近景」と呼ばれるエリアと、真ん中ぐらいの「中景」と呼ばれるエリアと、一番遠くの「遠景」と呼ばれるエリアの3つのエリアに分類されることが多いです。

 

なのでまずは何となくで良いので、あなたの中で「近景」「中景」「遠景」の3つにエリア分けをしてみて下さい。

 

すると・・

だいたいこんな感じでエリア分けができると思います。そんなに難しくはないですよね。

 

 

そして頭の中でエリア分けができたら、「パステル」という大量の粉を刷り込みながら描いていく画材の特性も同時に考えつつ、最初に描くエリアを決めていきます。

 

 

 

そうすると、やはり最初は「遠景」の空から描いていくのが一番オーソドックスな流れと言えますね。まずは真っさらな無色の状態の時に、伸び伸び広範囲に水色を刷り込んでいった方がムラのないキレイな空を表現できるからです。

 

これを例えば・・「中景」の木から描いてしまったらどうでしょう・・? ちょっと想像してみて下さい笑

 

 

時間をかけて上手く描いたとしても、次に空を描くとなった場合、木の葉っぱと空との複雑な境界が混ざり合ってしまい、確実に色が汚くなってしまいますよね。そうなると結局はまた葉っぱや空を描き直さなければならなくなり2度手間となってしまいます。

 

なので、そうならないためにも最初の組み立てというものが非常に大切になってくるわけです。

 

複雑な描写は後回しにする

 

 

さあ次の描写ですが「遠景の空を描いたから次は中景の木だろうな」と思われたかもしれませんが、次は近景のベースの色を塗っていきます。上の画像の通りですね。「だいたいベースの色として適切だろうな・・」と思う色を塗っていけばほぼほぼ大外れはないと思います。

 

改めまして、今回の作品でメインとなるモチーフは「木」「自転車」です。これはもうド真ん中に来ている構図からしても明らかですよね。

 

そして「木の葉っぱ」や「自転車」ほどの複雑な描写となると、なるべく後回しにしておくのが、ある程度大作の風景画としてはセオリーとなります。特に自転車は形が複雑すぎるので一番最後に描いていきます。

 

先程もお伝えしたように境界をキレイに描き、描写の2度手間にならないようにする為ですね。まずは「大まかに攻めていって徐々に外堀りから埋めていく」、と言ったイメージです。

 

トレースを複数回つかう

 

さあ遠景と近景のベースの色が塗れたら、次は「中景の木」に取り掛かります。一番最初にトレースにて木の輪郭を描きましたが、遠景の空と近景の土、草原を描いた為、輪郭線が消えてしまっているはずなので、ここで再びトレースにて木の輪郭線を描いていきます。

 

実は一番最初のトレースの後に、マスキングテープを全て取らずに何枚か残しておいたわけですね笑 そうするとまた後でトレースをやってもピタッと同じ位置に木の輪郭線がくるようになります。是非覚えておいて下さい。

 

 

 

「木」もまずはベースの色である「黒」からしっかり乗せていきます。今回の木は影が強い木になりますので明らかにベースの色は「黒」で大丈夫ですね。も思いっきり塗りつぶしちゃって下さい。リアル系は必ず「ベースの色を乗せてから」というのが基本の手順になりますね。

 

画材的にはなるべく濃度の高いソフトパステルで全体を描き、細かい描写はパステル色鉛筆を駆使して描いていきます。

 

また、木の右端に見える小屋薄っすら遠くに見える山の稜線もこのタイミングで描いていって大丈夫です。

 

描き順で「モチベ」をコントロール

さあだいたいですが近景、中景、遠景のベースの色が整いました。このぐらいまできたら、自転車以外ならどこから描いていっても大間違いはないはずです。なのであなたの好みのところから描いていっても大丈夫ですね。

 

ただ今回レベルの大作の風景画となると、パステル画に結構慣れた中級者さんでも完成までに25時間以上はかかるはずです。私はもっとかかりましたが笑

 

なのでまずは「あたながモチベーションを保ちながら楽しく描いていける描き順」を探ることから始めていくのが得策です。大作にはこの考えが結構大事ですね。逆にどこから描いていけば精神力を保てるか?を考えてもいいかもしれません。

 

個人的におすすめする次の手順が、やはりメインである木の描写に進んでいくという流れですね。これは単純にメインを描き進めた方が見栄え的にも楽しくなるからというだけですね。

 

上の画像のように、黒の次は「濃い緑」を乗せていきます。この順序も非常に大切で、

 

ポイント!!
「濃くて暗い色→薄目で明るい色」の順で色を乗せていくと、葉っぱのモゾっとした立体感を表現できます。

 

 

 

 

まあパステル画なので少し色の順序を間違えたぐらいは何の問題もありませんので、伸び伸び描いていきましょう。

 

始めに塗った遠景の水色で、木の葉から漏れる空も表現するとより一層リアル感が増してきます。

 

 

飽きたらモチーフを変える

 

 

風景画もだいたい1つはメインとなる複雑なモチーフがあるはずです。その複雑なモチーフの描写にちょっと飽きてきたかな・・と思った時は、都合よく描くモチーフを変えてしまって大丈夫です。

 

それにある程度、木が描けたら近景の土や草原も進めていく方が絵全体のバランスも把握しやすいですね。土のあぜ道や草原の細部はパステル色鉛筆を駆使して描いていきましょう。

 

さあこれ以降はひたすら細部の描き込みを行っていくだけですので、描き順に関してはもうあまりお伝えすることはないかなと思います。

 

【リアルパステル画】風景画は描き順が大事!
「まとめ」

 

 

今回紹介した内容は、わりと「リアル系に特化した」お話ではありましたが、随所でお役に立てる「風景画の基本的な進め方」についてはお伝えできたかなと思っております。

 

どんな画風の風景画を描くにしても、

 

「まずは資料を見ながら頭の中で「近景」「中景」「遠景」の3つにエリア分けをして、どこからどうスタートしていけば、自分の求める絵に近づけるのか?」 

 

ここをじっくり考えることが非常に大切です。さらに「パステル」という画材の特性も考えながら設計を進めていけると尚いいと思いますね。絵の具などとはまた違った枝分かれがでてくると思いますので。

 

 

今回紹介した内容の他にも、実際のパステル画の描き方を私の方でいくつかまとめていますので、興味のある方は以下の記事も参考にしてみて下さい。

 

 

それではここまで完読頂きありがとうございました!! Keigoでした!!