
こんにちは!私はリアル系のパステル画を描いているKeigoという者です。風景画も好きで色々描いていますね。
今日は初級者さん~中級者さんに向けてパステル風景画_リアルな「空と雲」「草原」の描き方を公開していこうと思います。
これらの作品ですね。
ちなみにこの記事自体が1つの講座になっておりますので、是非お気に入り登録して頂いて何度も再訪して頂けると嬉しいです。!!
初級者さんでも充分に再現性があってスムーズに技術を習得できる講座になっておりますので!!
さあそれでは「空と雲」の描き方から始めていきます。後半で「草原」の描き方を解説していこうと思います。
まずは空と雲の描き方のスタートから完成までの通しの動画をご視聴下さい!! 字幕にてかなりくわしく手順をまとめておきました!
まあ技術のレベル的には、「超リアルまではいかないけどある程度の写実感を保ちつつどんな画風にも活かせるぐらいの技術力」という感じになりますね。なのでそういった意味で「平均的な空と雲」ということになりますね。是非今後のあなたの作風に活かして頂ければなあと思います。
ここから先は、基本的に静止画を使っての解説となりますが、肝心かなめのテクニックの部分に関してはしっかり動画にて解説していこうと思いますので是非最後までお付き合い頂ければと思います!!
それでは開始していきます!!
目次
【パステル_風景画】平均的な空と雲の描き方
1.「画材、紙、道具について」
それでは画材、紙、道具について解説していきますが、全然多くはありません。
まず画材ですが、上の2枚の画像で示したようにソフトパステルの4色を使います。上段の画像、一番右の「ベースとして広範囲に塗っていく青」、真ん中の「空の濃い部分を表現する時に使う青」、そして「白」と下段の画像のグレーの「4色」になります。
さらに雲の細部を描き込んでいく時に使うパステル色鉛筆の白が1本あると非常に良いですね。メーカーはとりあえず何でも良いと思います。
紙ですが、今回はパステル用の適度なおうとつのある紙を使いました。上の画像のものですね。
紙はケント紙以外なら何でも良いと思います。ケント紙はリアル寄りの絵の場合だと色が乗っていかないですね。
その他の道具はマスキングテープと、
濡れタオルですね。
マスキングテープは任意でいいかもしれませんが、濡れタオルは必須となります。
【パステル_風景画】平均的な空と雲の描き方
2.「簡単な下準備」
さあ簡単な下準備ですが、まずは紙をA4サイズにカットします。私はスケッチブックタイプの大き目の紙だったのでカットが必要でした。
モチーフが複雑すぎる場合はA4だと小さくて描きづらいこともありますが、今回のモチーフではA4サイズがちょうどいいと思いますね。
次に上の画像のようにマスキングテープで紙の4辺をマスクします。これは仕上がりがかっこよくなるということと、作業中に「紙を持つ部分」を作るという意味合いがありますね。是非やっておくことをおすすめします。テープは5mm幅ぐらいで貼れると良いと思います。
最後に肝心の資料ですが、上の画像を右クリックで保存して頂いてコンビニ等でA4サイズでカラー1枚プリントアウトして下さい。これで下準備は完了です。
【パステル_風景画】平均的な空と雲の描き方
3.「実際の制作」
ここからは実際の制作に入っていきます。
下書き
まずは資料を見ながら鉛筆かシャーペンで雲の輪郭を薄目に描いていきます。複雑なモチーフの場合はトレースで輪郭線を描くことをお勧めしていますが今回はフリーハンドで大丈夫だと思います。
今回は雲と空の描き方の基本的な部分を学んで頂ければOKなので、全ての雲は描かずにとりあえずはこれぐらいで良いかなと思います。ちょっと見づらくてすいませんが下部の大量の雲は省きました。その方が集中できると思いますので。
最後に練ゴムで出来るだけ鉛筆の濃さを吸い取っておきます。その方が最後の仕上がりが良くなりますね。
ベースの「青」を全体に塗る
先程もお見せした上の画像の、一番右ぐらいの青を広範囲を塗る「ベースの青」として設定します。
なるべく雲を避けながら全ての部分に塗っていきます。ちょっとぐらい雲にはみ出しても全然問題ありません。ある程度の範囲を塗ったら指で粉をなじませながら進めていきましょう。
これぐらいを目指してベースの塗りこみをやっていって下さい。
青が薄いかなというところは改めてしっかり紙の目に粉をなじませていきましょう。なるべく塗りムラが無いのがベストです
空の「暗い部分」の表現
さあ次の工程ですが、上の画像の右から二番目のインディゴブルーぐらいの濃い目の青で空の上部を塗っていきます。暗い部分を表現していくということですね。
資料をよく見ながら空の上部の暗くなっている部分を普通に塗っていきます。ある程度塗ったら指でなじませていきます。
これぐらいまで暗さが出せればひとまずOKですね。
空の「明るい部分」の表現
次の工程ですが、空の中間部分~下部にかけての比較的明るめの部分を白で表現していきます。先程と同じように普通に白をまんべんなく塗っていき、ある程度のところで指なじませていく感じで大丈夫ですね。
さあ今回の工程では「動画」でグラデーション表現のちょっとしたコツをお伝えしていきますね。今後に活かせる大切なテクニックになりますので是非動画をご視聴下さい!!
動画の通り進めてもらえれば、徐々にきれいなグラデーションの雰囲気が出てくるはずです。
まだまだ明るさが足りなかったので白をもっと足していきます。
動画の通り指を紙面から離さずに白を刷り込んでいきます。
ひとまずこれぐらいまで表現できていればOKですね。
雲の描写
ここから雲の描写に入っていきます。資料を見ながらソフトパステルの白で描き込んでいきます。ソフトパステルの方が濃度が高い分、しっかり白が乗っていきますね。描いたらすぐに指で粉をなじませていきます。
細部はパステル色鉛筆の白で表現していきましょう。
この要領で他の雲もどんどん描いていって下さい。一番楽しいパートになるかなと思いますので!!
真ん中の一番大きな雲のやや暗くなった部分はグレーを少し入れながら表現していきます。
資料を見ながら描き込めば描き込むほどリアルに仕上がっていきます。
他の雲もどんどん細部を描き込んでいきましょう。
最後のパートになります。始めに使ったベースの青で「雲から透けて見える空」の感じをを描き込んでいきましょう。筆圧はやや弱めな感じで色を乗せていき、指でなじませながら徐々に調整していって下さい。
あとは少し離れたところからも作品全体を眺めてみて、資料との違いを確認しながら詰めていきましょう。
最終の微調整をしていき、OKならそこで完成として下さい。
【パステル_風景画】平均的な空と雲の描き方
「まとめ」
今回の作品で「自然なグラデーション表現」はある程度学んでもらえたかなと思います。「空」は風景画においては必須のパーツになりますので是非今後の制作に活かしてもらえればなあと思います。
グラデーション表現に関しては是非以下の記事も合わせて読んでみて下さい、確実にお役立ち頂けると思いますので!!
さあここからは「草原」の描き方を解説していきます。
パステル画で1番人気のあるモチーフが「風景画」だと思いますが、風景画の中でも比較的よく登場する「草原」をなるべく簡単に描く方法について解説していこうと思います。この「なるべく簡単に」というのが今回のミソになりますね。
さらに大雑把な雰囲気の草原ではなく、どんなジャンルでも使える「緻密でリアルな草原」を描いていこうと思います。
この草原ですね。
言い訳ではないのですが・・実物はもう少しリアルに描けています・・・笑 やはりデジタル化すると・・質がちょい落ちますね笑 まあ気を取り直して・・・。
今回お伝えするやり方で描いてもらえれば技術的にもそんなに難しくないですし、その上「ある程度のリアルさ」を保った草原を描けてしまうんですね。
勿論、もっと手間ひまをかければ今回の草原よりも格段にリアルな草原に仕上げることも可能です。まあ初級者さんはさすがにちょっとの慣れは必要にはなってきますが、それでもそんなに大変なことはないと思いますので大丈夫なはずです。
さあそれでは早速「パステル風景画_リアルな草原を簡単に描く方法」についてお話していきます!!
後半の方は、動画で実際の描写風景を見てもらいながら進めていきますので、より理解も深まると思います。それでは始めていきます!!
パステル風景画_リアルな草原を描く方法
1.「準備する画材、紙、道具」
まず画材ですが、
があるとストレスなく進められると思います。
そして、今回のリアルな草原において一番の肝になるのが「紙」ですね。
紙は「キャンソン・ミ・タント紙」のレモンイエローぐらいの明るい黄色の紙を使いました。この紙は今回必須のアイテムになりますので、実際に「リアルな草原を描いてみたい!」という人は私と同じ「キャンソン・ミ・タント紙」のレモンイエローぐらいを用意しておいて下さい。
「キャンソン・ミ・タント紙」は表面におうとつがある、世界一ポピュラーなパステル用紙と言っても良いと思いますので、まだ使用経験がない方はこの機会に是非試してみて下さい。
その他の道具はマスキングテープだけですね。
「実際に草原を描いてみたい!」という人のために一応資料も載せておきます。上の画像を右クリックで保存し、カラーで1枚プリントアウトして手元に置いておくと見やすいですね。
パステル風景画_リアルな草原を描く方法
2.「簡単な下準備と重要ポイント」
簡単な下準備と重要ポイントについてお伝えしていきます。
A4のキャンソン・ミ・タント紙を、縦12cmぐらいにカットしました。横幅はそのままで大丈夫です。まあ練習なのでとりあえずこれぐらいのサイズで良いかなと思います。
そして四辺をテープでマスクしました。これは最終の仕上がりを少し格好良くする為と、制作中に紙を持つ部分をつくる為ですね。その方が幾分進めやすくなります。
さあそして、今回1番重要なポイントですが「紙のウラ面を使う」ということですね。
まず「キャンソン・ミ・タント紙」にはオモテとウラがあります。オモテ面は、上の画像のように規則的な丸形のデコボコが並んでいる面ですね。いわゆる「ザ・パステル画」という風合いになる方です。
それに対してウラ面ですが、上の画像のように不規則なザラザラの質感をしています。外壁のような感じですね。そして今回「リアルな草原」ではまさにこちらのウラ面の方を使って描いていきます。
なぜかと言うと、ウラ面のザラザラ感をそのまま「草原のワサワサ感」に利用できるからなんですね。草原も無数の草の集合体なのである種「模様」なわけです。
その模様を表現するにはやはりそのまま同系統の模様を利用するのが一番効率的で、かつ仕上がりも自然になります。ちなみに規則的なオモテ面の方でも試してみましたが・・・見事に質感が合わなかったですね・・・笑
今後こういった「紙の特製を利用して効率化を図る」みたいな考え方も少し頭に入れておくと良いかもしれません。
パステル風景画_リアルな草原を描く方法
3.「実際の描写」
さあだいたいですが、赤く囲ったあたりを切り取って描いていこうと思います。
まずは資料の草原をよく見て、あなたが「まあだいたいこのぐらいの黄緑が資料の草原に近いかな」と思えるぐらいの「普通の黄緑」のソフトパステルを選んでみてください。
黄緑色が決まったら、ソフトパステルを完全に寝かせて、横の大きな動きで全体を塗っていきます。ソフトパステルの「腹の部分」で塗っていく感じですね。そうすると効率も良く、草原の雰囲気に近い表現になります。
角や際きわの部分以外はなるべく「縦の動き」とかは入れないようにしましょう。仕上がりが汚くなる可能性があります。
全体が塗れたら、指でガシガシ粉をこすりつけてなじませていきましょう。強めにやっちゃって大丈夫ですが、この時もなるべく横の動きでなじませるようにして下さい。
角やテープの際きわの部分もしっかり粉をなじませます。なんとなくですが、すでに草原のワサワサ感がでている感じがしませんかね?笑 紙の目が活きている証拠ですね。
これからもっと詰めていきます。
ベースの色が整ったので「暗めの深緑」で濃くなっている部分を描いていきます。
先程と同様に横の動きで塗っていきましょう。右下の濃い部分から塗っていくと今後の目安になってくれるので描きやすくなります。ある程度塗ったら指でなじませます。
とりあえずこんな感じになればOkですね。
さあここからは動画で実際の描写を見てもらいながら進めていきます。
今塗った暗めの深緑の部分に、最初の「普通ぐらいの黄緑」で草っぽい短いストロークの表現を入れていきます。下地に「濃い色」があれば、その上に明るい色が上手く乗っていきます。
さらに「暗めの深緑」でも草の表現を入れていきます。わざとらしくなったら指ですこしぼかしていきましょう。
ある程度草っぽい雰囲気がでてきたら、一気に「草原の風合い」を出していきます。ソフトパステルの「明るい黄色」で草っぽい短いストロークをどんどん入れていきます。ここがたぶん一番楽しいパートになりますね笑 ただあくまで資料をしっかり見ながら描いていって下さい。
後半の方は点々の「点描画」のような動きも入れていくと効果的です。
さあ完成も近づいてきたので、ここからはパステル色鉛筆も使ってさらに草原の細部を表現していきます。できる限りパステル色鉛筆の芯先はとがらせておいた方が細い線が描けます。
右下の濃い部分から、「明るい黄色」でひっかくように、くっくっと短いストロークを入れていくとしっかり線が乗っていきます。パステル色鉛筆はソフトパステルに比べると顔料の密度が低いので、現状では色が乗りづらいとは思いますが筆圧強めに描いていけば大丈夫です。
濃い部分には思い切って「黒」を乗せていきましょう。パステル画において「黒」は、下地にある色がそのまま強調される便利な色なので、アクセントを付けたい時にはもってこいの色ですね。
形が整ってきた後半の方で、「クリーム色」ぐらいで「あぜ道」的なラインを引いてやると、さらにリアル感が増していきます。色味が足りないなあと感じるところは、再び濃度が高いソフトパステルを使って濃さを足していきましょう。
その他、最終調整をして完成となります。紙が破れないようにマスキングテープは優し目にはがしましょう。
パステル風景画_リアルな草原を描く方法
まとめ
制作時間は40分ほどでしたね。なのでもっと時間をかければさらにリアルな表現ができるわけです。
今回のように「紙の特性を活かす」という考え方を取り入れると一気に制作の幅が広がることがあります。「紙の質」や「紙の色」にも着目しておくといざと言う時に必ず役に立つ時がきますね。
「紙の色」を利用した例で言うと「月」と「シャボン玉」と「波」あたりがイケるかなと思います。
「月」と「シャボン玉」に関しては私の方で描き方をまとめておきましたので、以下の記事も合わせて読んでみて下さい。
それでは最後まで読んで頂きありがとうございます。
ちなみに今回お伝えした「空と雲」「草原」はもっと描き込めば絵の質はどんどん上がっていきますので、今回の私の着地よりももっと完成度を上げることも可能です。
少し前から私の方で「リアルパステル画講座」という小さなコミュニティを起ち上げましたので、そちらからでしたら今回の作品の添削も受け付けていますので是非お気軽にお問い合わせ頂ければと思います!!
詳しくは以下のページからどうぞ!