鉛筆画がうまくなる為には、「消しゴムを使いこなす」ということがとても重要になってきます。
鉛筆画を描く上で実際のケースを想定して、人物画を例にいくつか消しゴムを使うタイミングというものを考えてみました。
読みやすくまとめたつもりなので、是非一読願います。
髪の毛の光を描く時 →「ノック式消しゴム」
鉛筆画を描いていて、強めの光が当たっている髪の毛を表現したいとなった場合どうするか?
光の部分を避けて描き、元々の紙の白さを利用して光を表現する「白抜き」という王道のやり方もありますが、そのやり方だと「全ての形状の髪の毛」を描写するには不向きになってしまします。
例えば複雑にパーマが入り組んだような髪の光を、全て白抜きで表現するとなると正確かつ綿密に描いていかなければならない為、膨大な時間がかかってしまい、あまりに非効率すぎます。描くモチベーションも下がってしまいます。
そんな時「ノック式消しゴム」の存在を知っていれば、始めのうちは多少ザックリ目に髪を描き、後半でしっかりと正確に髪の光を表現しようという算段が立てられますので、効率的に描き進めることができます。同時にモチベーションも保たれます。
実際にノック式消しゴムで髪の光を表現するとこんな感じになります。
ちなみリアルな髪の毛の描き方は以下の記事で解説しています。
この消しゴムはシャーペンのように指でノックして消しゴムを押し出して使います。消しゴムの形状も細く作られているので、細かな箇所を消すのに最適です。
ちなみに私が使っているのは「トンボホルダー型消しゴム モノゼロ EH-KUR11」です。
練ゴムを潰して、スーっと光の線を入れるのもアリだとは思いますが、うまく均一な線を引けないこともありますので、私は断然「ノック式消しゴム」の方をおすすめします。
鉛筆画を描くには必需品と言って良い道具だと考えています。
目の光、模様を描く時 →「電動消しゴム」
黒目の中というのは、物や光が写り込む為、非常に複雑な形状をしています。さらに黒目は他のパーツと比べても非常に小さいパーツになるので、その中の光、模様を描くとなると相当な集中力と技術力が求められると思います。
初心者の人にとっては難解な描写となるでしょう。
しかし、こういう時こそ「電動消しゴム」という最適な道具を利用することで、初心者の人でも作品の完成度が飛躍的に上がることになります。
この電動消しゴムという道具は名前の通り電動で高速回転する消しゴムです。普通の消しゴムと比べ何倍もの消去能力があります。
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例えば、10Bの鉛筆で濃いめに塗った箇所でも、この電動消しゴムを使えばピンポイントで狙った箇所だけを白抜きすることができます。もちろん色鉛筆で濃い目に描いた箇所でも簡単に消せます。
私も始めて使った時、本当に素晴らしい道具だと思い感動しました。
電動消しゴムは先端をとがらせると非常に使いやすいです。
とがらせ方はこちらの記事で解説しています。
ちなみに、電動消しゴムで黒目の模様、光を表現するとこういう目に仕上がります。
ちなみにリアルな目の描き方は下の記事で説明しています。
人物画以外でも必ず活躍してくれる道具だと思いますし、あらゆるものを描く時の為に持っていて損はない道具です。
1000円~3000円ぐらいで購入できます。100均一でも売っています。
【補足】細かい箇所をぼかす時→「さっぴつ」
補足的な話ですが、消しゴム以外でも「さっぴつ」という道具も鉛筆画においては必需品となります。
さっぴつは、ぼかしたい時に使う道具です。使う場面としては、綿棒だと太すぎるような細かい箇所をぼかす時に活躍します。
まさに先述した「黒目」の中をふわっとぼかす時に使いました。サイズも細いものや太いものと、いくつかありますので用途に合わせて使い分けると非常に便利です。
価格も安いので、何本か持っておくと良いと思います。
先が汚れたさっぴつはサンドペーパーで削るときれいになります。
「最適な道具を知る方法」
現代では便利な画材道具が色々と存在します。
用途に合った最適な道具を見つけることができれば、あなたにしかできない表現も可能となりますし、そうなれば他との差別化も図れますし、オリジナリティの追求にもつながります。
しかし、そもそもこういった「最適な道具」というものはどのように知り得ることができるのか・・・。
絵を描いていると
「こういう表現をする時は何を使えばいいのだろう・・・」
「いつもココがうまく描けない・・・何か良い方法はないのか・・・」
と悩む時期が私もありました。
しかも貴重な情報に限って、中々簡単には手に入らないものです。世の中そういうものです。
海外アーティストのメイキング動画を見ていても、「そこが知りたい」という部分だけうまく編集で隠されていることもあるぐらいなので。
となると「最適な道具」という情報は自ら取りにいくという考えが必須になってくるのだと思います。
そこで「最適な道具を知るための3つの方法」を私なりに考えてみました。
1つ目は、
👉SNSから情報を得る
まれにSNSで親切に道具の情報を開示してくれている人もいますので、尊敬するアーティストがいればタイムライン等をくまなくチェックし情報を得るという方法も非常に効果的です。
意外とコメント欄にも有益な情報が載ってたりもします。
2つ目は、
👉アーティストのパトロンになり情報を得る
私は以前、月額10ドルで、とある海外アーティストのパトロンになり、普段使用している道具のことや技法についての情報を仕入れたことがありました。
通常では知り得ない情報を得ることができたので、私にとって飛躍的に画力が伸びたきっかけにもなりました。物凄く・・・物凄く・・・有益な情報でした。
パトロンになる方法ですが、そのアーティストがパトロンのシステムを取り入れている場合なら、ホームページかyoutubeチャンネルから申し込みフォームにいけるはずなので、気になるアーティストがいるという人は色々と調べてみてください。
3つ目は、
👉大きめの画材屋に行く
まさに自分の足で稼ぐというやり方です。
大きめの画材屋に行き1時間ぐらい色々な道具を隈なくチェックしてみるというのも非常に有効な手立てだと考えます。
実際、私も画材屋に行った時はあえて目的の物とは違うコーナーをグルグル歩いて観察してみるといったことをよくやります。そうすると意外な道具の存在を知れるので非常にお勧めの方法です。
まとめ
消しゴム、さっぴつについて解説をしてきました。
こういった「最適な道具」を知る為にはまず「行動する」ことが重要だと私は考えます。少し面倒でも、探し続けていれば必ず何かのゴールには到達できるはずです。私の経験から言っても確かなことです。
そして、行動することで得た「最適な道具」はあなたにとって必ず「最強の武器」になってくれるはずです。
良い道具が見つかればドンドン画力も上がっていくことと思いますので。
鉛筆画の基本的な道具については以下の記事でもまとめていますので、是非合わせて読んでみてください。