こんにちは!絵描きのKeigoと言います!!
さて今回は、パステル画_簡単に「草原」を描く㊙テクを公開!ということで、パステルで「草原」を描く簡単な方法を解説していきます。
パステル画で1番人気のあるモチーフが「風景画」だと思いますが、風景画の中でも比較的よく登場する「草原」をなるべく簡単に描く方法について解説していこうと思います。この「なるべく簡単に」というのが今回のミソになりますね。
さらに大雑把な雰囲気の草原ではなく、どんなジャンルでも使える「緻密でリアルな草原」を描いていこうと思います。
この草原ですね。
言い訳ではないのですが・・実物はもう少しリアルに描けています・・・笑 やはりデジタル化すると・・質がちょい落ちますね笑 まあ気を取り直して・・・。
今回お伝えするやり方で描いてもらえれば技術的にもそんなに難しくないですし、その上「ある程度のリアルさ」を保った草原を描けてしまうんですね。
勿論、もっと手間ひまをかければ今回の草原よりも格段にリアルな草原に仕上げることも可能です。まあ初級者さんはさすがにちょっとの慣れは必要にはなってきますが、それでもそんなに大変なことはないと思いますので大丈夫なはずです。
さあそれでは早速「パステル画_リアルな草原を簡単に描く方法」についてお話していきます!!
後半の方は、動画で実際の描写風景を見てもらいながら進めていきますので、より理解も深まると思います。それでは始めていきます!!
目次
パステル画_リアルな草原を描く方法
1.「準備する画材、紙、道具」
まず画材ですが、
があるとストレスなく進められると思います。
そして、今回のリアルな草原において一番の肝になるのが「紙」ですね。
紙は「キャンソン・ミ・タント紙」のレモンイエローぐらいの明るい黄色の紙を使いました。この紙は今回必須のアイテムになりますので、実際に「リアルな草原を描いてみたい!」という人は私と同じ「キャンソン・ミ・タント紙」のレモンイエローぐらいを用意しておいて下さい。
「キャンソン・ミ・タント紙」は表面におうとつがある、世界一ポピュラーなパステル用紙と言っても良いと思いますので、まだ使用経験がない方はこの機会に是非試してみて下さい。
その他の道具はマスキングテープだけですね。
「実際に草原を描いてみたい!」という人のために一応資料も載せておきます。上の画像を右クリックで保存し、カラーで1枚プリントアウトして手元に置いておくと見やすいですね。
パステル画_リアルな草原を描く方法
2.「簡単な下準備と重要ポイント」
簡単な下準備と重要ポイントについてお伝えしていきます。
A4のキャンソン・ミ・タント紙を、縦12cmぐらいにカットしました。横幅はそのままで大丈夫です。まあ練習なのでとりあえずこれぐらいのサイズで良いかなと思います。
そして四辺をテープでマスクしました。これは最終の仕上がりを少し格好良くする為と、制作中に紙を持つ部分をつくる為ですね。その方が幾分進めやすくなります。
さあそして、今回1番重要なポイントですが「紙のウラ面を使う」ということですね。
まず「キャンソン・ミ・タント紙」にはオモテとウラがあります。オモテ面は、上の画像のように規則的な丸形のデコボコが並んでいる面ですね。いわゆる「ザ・パステル画」という風合いになる方です。
それに対してウラ面ですが、上の画像のように不規則なザラザラの質感をしています。外壁のような感じですね。そして今回「リアルな草原」ではまさにこちらのウラ面の方を使って描いていきます。
なぜかと言うと、ウラ面のザラザラ感をそのまま「草原のワサワサ感」に利用できるからなんですね。草原も無数の草の集合体なのである種「模様」なわけです。
その模様を表現するにはやはりそのまま同系統の模様を利用するのが一番効率的で、かつ仕上がりも自然になります。ちなみに規則的なオモテ面の方でも試してみましたが・・・見事に質感が合わなかったですね・・・笑
今後こういった「紙の特製を利用して効率化を図る」みたいな考え方も少し頭に入れておくと良いかもしれません。
パステル画_リアルな草原を描く方法
3.「実際の描写」
さあだいたいですが、赤く囲ったあたりを切り取って描いていこうと思います。
まずは資料の草原をよく見て、あなたが「まあだいたいこのぐらいの黄緑が資料の草原に近いかな」と思えるぐらいの「普通の黄緑」のソフトパステルを選んでみてください。
黄緑色が決まったら、ソフトパステルを完全に寝かせて、横の大きな動きで全体を塗っていきます。ソフトパステルの「腹の部分」で塗っていく感じですね。そうすると効率も良く、草原の雰囲気に近い表現になります。
角や際きわの部分以外はなるべく「縦の動き」とかは入れないようにしましょう。仕上がりが汚くなる可能性があります。
全体が塗れたら、指でガシガシ粉をこすりつけてなじませていきましょう。強めにやっちゃって大丈夫ですが、この時もなるべく横の動きでなじませるようにして下さい。
角やテープの際きわの部分もしっかり粉をなじませます。なんとなくですが、すでに草原のワサワサ感がでている感じがしませんかね?笑 紙の目が活きている証拠ですね。
これからもっと詰めていきます。
ベースの色が整ったので「暗めの深緑」で濃くなっている部分を描いていきます。
先程と同様に横の動きで塗っていきましょう。右下の濃い部分から塗っていくと今後の目安になってくれるので描きやすくなります。ある程度塗ったら指でなじませます。
とりあえずこんな感じになればOkですね。
さあここからは動画で実際の描写を見てもらいながら進めていきます。
今塗った暗めの深緑の部分に、最初の「普通ぐらいの黄緑」で草っぽい短いストロークの表現を入れていきます。下地に「濃い色」があれば、その上に明るい色が上手く乗っていきます。
さらに「暗めの深緑」でも草の表現を入れていきます。わざとらしくなったら指ですこしぼかしていきましょう。
ある程度草っぽい雰囲気がでてきたら、一気に「草原の風合い」を出していきます。ソフトパステルの「明るい黄色」で草っぽい短いストロークをどんどん入れていきます。ここがたぶん一番楽しいパートになりますね笑 ただあくまで資料をしっかり見ながら描いていって下さい。
後半の方は点々の「点描画」のような動きも入れていくと効果的です。
さあ完成も近づいてきたので、ここからはパステル色鉛筆も使ってさらに草原の細部を表現していきます。できる限りパステル色鉛筆の芯先はとがらせておいた方が細い線が描けます。
右下の濃い部分から、「明るい黄色」でひっかくように、くっくっと短いストロークを入れていくとしっかり線が乗っていきます。パステル色鉛筆はソフトパステルに比べると顔料の密度が低いので、現状では色が乗りづらいとは思いますが筆圧強めに描いていけば大丈夫です。
濃い部分には思い切って「黒」を乗せていきましょう。パステル画において「黒」は、下地にある色がそのまま強調される便利な色なので、アクセントを付けたい時にはもってこいの色ですね。
形が整ってきた後半の方で、「クリーム色」ぐらいで「あぜ道」的なラインを引いてやると、さらにリアル感が増していきます。色味が足りないなあと感じるところは、再び濃度が高いソフトパステルを使って濃さを足していきましょう。
その他、最終調整をして完成となります。紙が破れないようにマスキングテープは優し目にはがしましょう。
パステル画_リアルな草原を描く方法
まとめ
制作時間は40分ほどでしたね。なのでもっと時間をかければさらにリアルな表現ができるわけです。
今回のように「紙の特性を活かす」という考え方を取り入れると一気に制作の幅が広がることがあります。「紙の質」や「紙の色」にも着目しておくといざと言う時に必ず役に立つ時がきますね。
「紙の色」を利用した他の例で言うと上の「月」と「シャボン玉」あたりがイケるかなと思います。
「月」と「シャボン玉」に関しては私の方で描き方をまとめておきましたので、以下の記事も合わせて読んでみて下さい。
それでは最後まで読んで頂きありがとうございます。
ちなみに今回お伝えした「草原」はもっと描き込めば絵の質はどんどん上がっていきますので、今回の私の着地よりももっと完成度を上げることも可能です。