ここ数年はパステル画をメインに制作をしているKeigo Nです。
本日は「ハードパステルっていつ使うの?そもそも必須なの?」といったところについてお話していこうと思いますが、
まず始めに・・・、パステルには「ソフト」「ハード」「オイル」「パステル色鉛筆」の4種類があります。このあたりを始めにかる~く解説していきます。
目次
ハードパステルっていつ使うの?そもそも必須?
「4種類のパステル」
【オイルパステル】
オイルパステルは、その名の通り”油性”の粘着剤が練り込まれたパステル、つまり「クレパス、クレヨン」のことですね。なのでソフトパステル、ハードパステル、パステル色鉛筆とは全く別の画材になります。
【パステル色鉛筆】
パステル色鉛筆はソフトパステルが鉛筆型になったものです。
やや固めに作られたものもありますが、ほぼほぼ「ソフト寄り」の画材という認識で大丈夫ですね。実際、鉛筆削りで削るとすぐに芯が折れてしまいますので、ソフト寄りであることに間違いはありません。
【ソフトパステル】
ソフトパステルは現代のパステル画においては「メインで使う画材」という位置づけになっていますね。柔らかいソフトな材質だからこそ、粉を自由に伸ばして「ぼかし」や「グラデーション」や「払い」など多彩な表現ができるわけです。
それゆえに世界中のパステルアーティストがソフトパステルをメインに制作をしています。ですので「パステル画」と言えば大部分をソフトパステルで描いた作品のことを指すという認識で問題ないと思います。
【ハードパステル】
それでは「ハードパステルっていつ使うの?そもそも必須なの?」という疑問が湧いてくると思いますので、私の経験と参考文献を元にその辺り解説していきます。
あくまで現代2023年において、初級者さんがパステルの理解を深めてもらい、画力向上につなげてもらう為の現実的なお話をしていければなと思いますので、そこだけご理解頂きたいと思います。
もうあまり過去の歴史を紐解いてどうこう・・・という話をしても仕方がないと思いますので・・・笑。
ハードパステルっていつ使うの?そもそも必須?
「最初の輪郭線、細部の描写」
【プリズマカラー ヌーパステル】
ハードパステルはソフトパステルよりも粘着剤が多く含まれているので、密度が高く固い仕上がりになっていますね。なのでソフトパステルよりも紙への定着は良いです。
そしてその定着力を活かして、パステル画やパステル画以外の絵でも最初の輪郭線を描く時に多く用いられています。主に”当たり”を付けるぐらいの段階ですね。
まあ元々、15世紀ぐらいの大昔では”デッサン”に使われることがメインだったようですね。
実際の制作で考えると始めにハードパステルで細めのハッキリした輪郭線をひいてから、ソフトパステルで内側の描き込みをしてくと紙への定着も良くなります。
あとは細部の描写ですね。
先程の「プリズマカラー ヌーパステル」の画像にもあるように、ハードパステルはカッターで先をとがらせて使うことができますので、(画像よりももっととがらせてもいいぐらいです)
そうすることでさらに細い線が描けるようになり、細部の描写が可能となるわけです。さらに強調したい部分だけハードパステルで力強く描いて、絵の調子にアクセントを付ける意味合いでも用いられます。
ハードパステルっていつ使うの?そもそも必須?
「必須ではないし使わなくてもいい」
さあ実は、今回の記事で私がお伝えしたかったことがコレなんですよね、見出しの通りです。笑 ハードパステルを愛用している人がいたら本当すいません・・・。
私、個人的には「ハードパステル」は・・・特別使わなくても良いかなと感じています。
もちろん、「いやいやこのメーカーのハードパステルがないと私は制作ができない!」というのであれば、それはどんどん使うべきだと思います。
ただ例えば、日本で一番使われているハードパステル「ヌーベルのカレーパステル」を粉末状にして可愛い系、ほのぼの系の作品を描いている場合でも、それはソフトパステルでも結構できてしまうんですよね。
茶こしやてんぷらのカスあげを使えばソフトパステルでも充分、粉末にできます。カッターだとボソっと崩れてしまうかもしれませんが。
しかも私が得意とする「リアルパステル画」で考えた場合でも、ハードパステルは伸びが悪いでですし、色味も薄いのであまり制作には使えません。
さらに先述した「最初の輪郭線、細部の描写」で考えた場合でも、パステル色鉛筆が充分その用途を担ってくれるわけです。
ですので私、個人的にはハードパステルという画材は、あまり出番自体がないのかな・・と考えています。
ハードパステルっていつ使うの?そもそも必須?
まとめ
確かに、参考文献を見ていると「ハードパステル」と「水彩」を掛け合わせて素敵な風景画を描かれている画家さんもいることはいますが、初級者さんはまずは「ソフトパステル」と「パステル色鉛筆」の柔らかい画材をメインに練習していく方が絶対、上達率が大きいです。
なぜなら冒頭でもお伝えしたように、ソフトパステルなら粉を自由に伸ばして「ぼかし」や「グラデーション」や「払い」など多彩な表現ができるからなんですね。
多彩な表現ができれば色々なタイプの作品も制作できますので、描いていて楽しさも実感できます。そして制作意欲も湧いてきますので、自然と画力も伸びていきます。
どうしても「ハードパステルも試してみたい!!」という人もまずは、「ソフトパステル」と「パステル色鉛筆」からスタートして、パステルという画材自体の楽しさを体感してみましょう。それからでも充分遅くはないですね。
それでは最後までありあとうございました!!