私は43歳のパステル画家 Keigo Nです。

 

今でこそ、一定レベルの画力が身に付いた自信はありますが、美大に通っていた19歳当時はこんな絵を描いて割と満足をしていました。

 

 

まさに下手の横好きでした。10代ですでにそれなりの画力を持っている人は本当にうらやましいです。

 

伸びしろがまだまだあるわけですから。

 

 

ちなみに美大では実技系の学部ではなく、思いっきり理論系の学部に在籍していた為、選択した授業以外ではほぼ絵に触れずに卒業しました。

 

そもそも美大生時代はあまり絵に興味がありませんでした。何となくという感じで4年間を過ごしていました。

 

そして時が経ち29歳から本格的に絵の道に進みたいと思うようになり、原宿の東京デザイン専門学校、イラスト夜間コースに通い始めました。

 

これが私の絵描き人生のスタートです。

 

印象的な時期を抜粋しつつ過去20年間を振り返ります。絵に狂った20年でした。

 

これから絵を学ぼうと考えている人達には私のような「苦い20年間」を過ごしてもらいたくないと考えています。

 

4分程で読めるようまとめてみましたので、是非参考にしてみて下さい。

 

 

専門学生時代

 

上の絵は29歳の時、専門学校の一年間の集大成として描いた絵です。ミリペンを使って細い線で描きました。ほんの少し絵の方向性が見えてきたかな・・・ぐらいの画力は身に付いた印象です。

 

1年間夜間コースに通い、絵の基礎を学びながら色々な画材に触れました。やはり独学よりも遥かに得るものが大きかったと感じます。

 

これから絵を学ぶという人は可能な限り、「独学のみ」という選択肢は避けた方が良いと思います。

 

なぜなら専門学校なり絵画教室なりに通えば、

 

課題をこなすことで、自然と画力が上がっていく

絶えず周りから刺激をもらえる(モチベーション維持)

熟練者からの直接指導に勝るものはない

 

と感じるからです。

 

「時間が無いのでどうしても独学のみで絵を始めようと考えている」という人には下の記事がおすすめです。

 

 

デジタル絵に注力した時期

 

専門学校を卒業する頃、講師に「これからはデジタルも使えた方が良い」と言われたので、デジタル絵を中心的に学ぼうと決めました。

 

そして、デジタル絵でリアルな人物を描きたかった私は「まずアナログでそれなりに描けないと駄目だろうなあ」と考え、

 

絵画教室にてアクリル画を学ぶことを決めました。

 

その時の話はこちらの記事で詳しくまとめています。

 

 

当時描いていたアクリル作品がこちらです。

 

アクリル画をある程度習得できたのでペンタブを買い、Photoshopの機能を覚えながら必死にデジタル絵を描き続けました。

 

こちらもいくつか載せておきます。

 

上の老婆の作品を描き上げた頃、「一応、デジタルでリアルな人物を描くというテーマは自分の中では完結したかな」という印象を持てました。

 

アナログ絵に注力した時期

それからまた時を経て、心が変わっていく自分がいました。

 

「自分が本当にやりたかったのは無機質なデジタル絵ではなく泥臭いアナログ絵だったのだ」という本質に気付き始めたのです。

 

アナログ絵の中でも私はモノクロ画が好みだったので、主に鉛筆、つけペンを使い不気味な人物画をひたすらに描いていきました。

 

この頃から「自分は人が忌み嫌うような人物画に興味がある」という方向性に確信が持てるようになりました。

 

 

 

暗黒時代1

 

上記の通り、アナログで不気味な人物画を描いていた私も年齢を重ね、

 

「やばい・・・そろそろ絵で収入を得なければ・・・」と焦り始めるようになりました。

 

そこで私は絵の職の中でも一番身近な「イラストレーター」を目指すことを決めました。

 

もし、「画家」という道を選択しようものなら、いつ収入を得られるかわからないし、一生何もないまま死んでいく可能性もあります。

 

そんな危険な橋は渡れないし、イラスレーターなら少し頑張れば何とかなるだろうとある意味安易に構えていました。

 

 

そして、肝心の画風も「イラストらしいイラスト」に一気に変更し、一発逆転を狙おうと考えました。やはり不気味な人物画では仕事はもらえないだろうと思ったわけです。

 

「画風を変更すること」については下の記事で細かくまとめています。

 

 

その時に描いていたイラストがこんな感じです。今見ても「思い切ったな・・・」という印象です。

 

 

暗黒時代2

収入の可能性を優先させた為、本来の画風を捻じ曲げてまで「可愛い感じのイラスト」を描き続けました。

 

不本意ながらも作品をため、出版社への営業に乗り出しました。

 

 

 

しかし・・・一切収入には結びつきませんでした。

 

 

それどころか私のイラストを見たある出版社からは「わざとらしい気がする」とまで言われる始末でした。

 

収入を得たいという私の欲がもろに絵に乗り移ってしまったようです。

 

 

画風を変えてまで臨んだ営業でしたが・・・この時は本当に絶望しました。

 

 

この頃すでに38歳になっていました。もう絵を見るのも嫌だな・・・」という期間が数か月続きました。

 

 

本来の画風、本来の自分に気付いた時期

さらに時が経ち、39歳になった私は「あと一年で40歳か・・・もう描きたい絵を存分に描いていこう。どうでもいいや」

 

と半ばやけくそ気味になっていました。

 

しかしその気持ちの転換があったおかげで、心は晴々していました。これからは何も気にせず好きな絵が描けると思ったからです。

 

その頃描いた絵がこちらです。

 

 

見事に人に好かれない絵を描いてしまいましたが、数年前の素の自分に戻り描き進められたことは私にとって大きな変化でした。

 

そしてこの頃「画家」を目指す決意をしました。

 

現在

私なりに苦しみを乗り越えながら現在に至ります。

 

少し前にインターネットを通じて、画家になる為に必要な知識を教えてくれる素晴らしい人物にも出会えました。

 

人は「こうなりたい」と強く願い行動をしていれば必ず自分にとって必要な人間に出会えるのものなのだと思います。世の中そうなっている気がします。

 

 

そして現在の心持ちとしては、極端に言えば「もう絵で収入を得られなくても構わない」と思っています。

 

それはもちろん諦めの気持ちではなく、「自分にとって好きな絵を描くことが生きている証しなのだ」と確信を持って言えるようになったからです。

 

これからは良い意味で絵に狂いつつも、気楽に生きていこうと考えています。