
私はよく鉛筆で人物画を描いています。
私もまだまだ、スーパーリアリズムとまではいきませんが、上の鉛筆画ぐらいのレベルで良ければ、
これから私が解説することを意識してもらえれば、だいぶ人物画の画力が上がるはずです。
要は「描いて⇒ぼかす」の繰り返しというだけです。勿論、努力は大切ですが。
まずは平均的な成人女性の描き方のスタートからゴールまでの工程を見てみて下さい。
さらに言えば、描く順番を毎回同じにしたり、道具も同じ物で固定化したりと、
描き方自体をルーティン化することがとても大切です。ルーティン化することであなたの「最適な描き方」というものが徐々に確立されていくはずです。
このあたりの話は以下の記事で詳しく解説しています。
以下、3分ほどでサラッと読めるのではないかと思いますので、是非参考にしてみてください。
あくまで実際の描き方ではなく「理論上の説明」になります。
ちなみに冒頭に掲載した人物画の「描き方」は以下の記事で
紹介しています。
「顔の面やおうとつ」を認識する
写真を見ながら「リアルな人物」を描く時を想定して解説していきます。
まず、私はリアルな人物を描く時は大抵、写真をコピーし、そこからトレースでアウトラインを描いていきます。「リアル」を追及するならトレースが一番手っ取り早いからです。
トレースのやり方は以下になります。
「描いて⇒ぼかす」と言いましたが、「描いて⇒ぼかす」為には、まず元となる写真の「顔の面やおうとつ」がどうなっているかをしっかり認識できていなければなりません。
これは物凄く重要なことです。
「顔の面、おうとつ」をより深く認識する為のちょっとしたコツとして、描く前に一度、
「元となる写真」と「鏡で見た自分の顔」を軽く見比べてみてください。
そうすると「だいたいこの辺りからふくらみがあって、このあたりでふくらみが終わっているなあ」とか顔の形状自体を認識しやすくなります。
意外と平面の写真を見ただけでは細かな部分まで「顔の面、おうとつ」を認識するのが難しい場合があるのです。
私の話になりますが、例えば正面からではなく角度がついたアングルの「鼻」を描く時、
向こう側に隠れた方の「小鼻」を描くのがとても苦手でした。ひょこっと少しだけ見えている感じがどうも形状を捉えられずに苦労した経験があります。
そんな時、専門学校の講師に言われたのが、「形がわからない時は鏡で自分の鼻を見るといい」と教わりました。
「なるほど・・・まあ確かに即効性はあるのかな・・・」と思い、それ以来「小鼻」の描写でつまづいた時は、鏡で自分の鼻を見るようにしています。
もちろん「鼻」に限らずその他の部位でも鏡を見ることは有効な手立てになるはずですので、是非「顔の面、おうとつ」の理解に役立ててみてください。
人間の顔はだいたいは皆同じような作りになっていますので必ずヒントにはなるはずです。
「描いて⇒ぼかす」を繰り返す
「顔の面、おうとつ」の認識ができたら、後はそのまま描いていくだけです。
描く時は、先が一定以上にとがった鉛筆を寝かせて「顔の面、おうとつ」に沿って繊細に手を動かしていってください。
丸みのある所は半円を意識して手を動かしたり、小鼻の際の辺りは反り返りを意識して手を動かしたり、形状を意識しながら描くことがとても大切です。
充分に鉛筆の濃さが乗ってきたら、細かな箇所はさっぴつや綿棒でぼかし、広い面は指に巻き付けたティッシュでぼかしていって下さい。
【追記】
写真と比べてまだ色が薄いなあと感じた時は、再度「描いて⇒ぼかす」を繰り返していって下さい。
それぞの道具の詳細については下の記事をどうぞ。
このように広さによってぼかす道具を変えるということが「自然な面」を描くことにおいてとても重要な要素となってきます。
例えば、広い面を綿棒あたりで何度も何度もぼかしてしまうと綿棒特有の筋っぽい感じが残ってしまい、明らかにその部分だけ不自然な「面」が出来上がってしまいます。
基本的なところですが、結局はこういった意識の連続で「リアルな顔」が出来上がっていくわけです。
描いては「最適な道具」でぼかし、描いては「最適な道具」でぼかしを繰り返しながら繊細に描いていって下さい。