私は約20年の間、絵にどっぷり浸かってきたパステル画家のKeigoです。たかだか20年ぐらいですが、濃密な20年間を過ごしてきた自信はあります。
一定レベル以上の画力を身に付けることはできましたし、ここ数年は「パステル」という画材の魅力に惹かれてパステル画をメインに制作をしてきました。鉛筆画とパステル画の作品をいくつか掲載しておきます。
この20年間の画家活動を振り返ると、
「あの時の決断、選択は正しかった」とか
「どう考えてもあれはやらなくて良かった・・・」とか
良くも悪くも色々な・・色々なノウハウが蓄積されましたね・・笑
なので、これからパステル画やその他の画材で絵を描いていこう!と考えている絵の初心者さんへ向けて、
私が約20年の間で経験した「パステル画家になるまでに必要だったこと、不必要だったこと」についてお伝えしていこうと思います。
見出しだけでもサラッと目を通してもらえれば、必ず今後の絵描き人生に役立つはずです。
全文を読んでも4分程で読めるよう、まとめてみました。あくまで私の体験談になりますので、そこだけご理解頂ければなと思います。
それではよろしくお願いします!!
パステル画家になるまでに”必要”だったこと
「夜間のイラスト専門学校」
私は東京造形大学 美術学科を卒業しましたが、改めて絵を学び直そうと考え、29歳から原宿の東京デザイン専門学校のイラスト夜間コースに通い始めました。
この頃はまだ「パステルに絞って絵を描いていこう!」みたいな気持ちは全くありませんでしたね。ただ今考えても、この一年間は「必要」というより「必須」と言って良いほど充実した一年間でした。
その理由は、
◆現役のプロから絵の基礎的なことを学べた
◆卒業後も相談できる講師とつながれた
◆多くの仲間から色々な刺激をもらえた
◆1年のうちグループ展を3回も開催できた
◆卒業後、ある程度の「絵描きとしての自覚」が生まれた
からです。
さらにこれから先、「何十年も絵を頑張っていくぞ!!」という自分の中での「電池」や「バッテリー」みたいな物が形成されたのがこの時期でした。そして「パステル」という画材に触れたのもこの時が初めてでしたね。
まあ単純に色々な思い出ができた楽しい1年でもありました。
パステル画家になるまでに”不必要”ったこと
「過剰に公募展に出品したこと」
先程からの続きになりますが、夜間専門学校卒業後は、自分の画風確立を目指しつつも、早く絵で何かしらの成果を挙げたいと躍起になり、倍率の低い公募展を探しては、過剰なまでに出品を重ねていました。
正直かなりの出費になったので、経済的にもきつい日々でした。
なぜ公募展が不必要だったのか?
確かに公募展で大賞を受賞し、一瞬だけチヤホヤされることもあるにはあると思いますが、結局はその後も自分でチャンスを広げられる人間でないと、また振り出しに戻ってしまうわけです。
老舗イラスト公募展「チョイス」ですら、現在は大賞をとっても何もない人が普通にいるということです。
結局、どんなに大きい公募展でグランプリを取ったところで、一生食いっぱぐれない程の依頼がガンガン舞い込んでくるなんてことはまず無いわけで、そもそも「公募展」というものは、誰かに引き上げてもらうことを前提とした「一か八かの画家活動」とも言えるわけですね。
今思うと、もっとブログのような「個人メディア」を使ってパステルの情報を発信していったり、アートイベントのような直接お客さんと触れ合える機会に金をつぎ込んだ方が、よっぽど何かの有益な出会いがあったのではないかと後悔しています。
とは言え、公募展もまあ「モチベーション維持」ぐらいの感覚で、一つのツールとして捉えるならアリはアリかなとも思いますが、「公募展のみにどっぷり画家活動の軸を絞る」となると、それはもう非効率以外の何物でもないと確信できます。
現に私が5、6年何もなくあっという間に過ぎ去ってしまったので・・・。
パステル画家になるまでに”必要”だったこと
「イラスト名鑑への掲載」
先述した「先の見えない公募展」に出品しながらも、「イラスト名鑑」というものに数回作品を掲載してもらいました。イラスト名鑑とは、多数のイラストレーターの作品、連絡先が1つにまとめられた本のことですね。
私が作品を掲載してもらったおすすめのイラスト名鑑については以下の記事で詳しく紹介しています。
安い掲載料で掲載してくれる超優良企業さんですね。
イラスト名鑑に掲載してもらってから1週間後、とあるエージェント会社の人から「会社員としてイラストを描くというお考えはありますか?」という電話がかかってきたことがありました。驚きました。
ただその時はあくまでフリーランスでやっていきたいと考えていましたし、当然その会社への採用が確実というわけではなかったので話は断ってしまいましたが、改めてイラスト名鑑を通じて多くの人が自分の作品を見てくれているんだなあという実感が持てました。
中には海外のアート団体から展示の依頼が舞い込んできたという人もいるようですし、絵描きとしてはまず自分の作品を多くの人に見てもらうことから始まると思いますので、そういった意味では根本的な前進にはつながるはずです。
今でも掲載料は無駄ではなかったと感じています。
パステル画家になるまでに”不必要”だったこと
「色々な画材に手を出したこと」
今でこそパステル1本で制作をしていますが、ここに行き着くまでに・・色々な画材に手を出してしまい本当に後悔しています。
今回の記事で一番お伝えしたかったのが実はこれなんですよね。笑
どう考えても一つの画材に特化した方が、早い段階で「理想の絵」に近づけることは明白です。
「色々な画材に手を出したこと」が不必要だったと感じる理由は、
◆画風が定まりづらい
◆モチベーション低下につながる
◆時間効率化を見込めない
◆収入の可能性が遠のく
といったところです。
「1画材に特化すべき理由」については以下の記事で詳しく解説していますので、是非読んでみて下さい。
私は、鉛筆画、色鉛筆画、アクリル、アクリルガッシュ、水彩、油絵、ペン画、デジタルと中途半端に色々な画材に手を出してきてしまったので、画風を確立するのに本当に苦労しました。
それが一番きつかったですね。本当に時間を費やしてしまいました・・・。
なぜ色々な画材に手を出してきてしまったかというと、単純にその方が絵描きとしてのステータスが上がるような気がしたからです。まあ「見栄」みたいなものですね。
しかし、先程挙げた理由からも、その考えは間違っていたんだなと今では強く感じています。気づくまでにだいぶ・・・時間がかかってしまいましたが。
当然、絵を学び始めた段階では色々な画材に触れるべきだとは思いますが、ある程度の経験を積んで「これだ」という画材を見つけたなら、その時はもうブレることなく、一つの画材に突き進んでもらえればと強く願います。
パステル画家になるまでに必要だったこと、不必要だったこと
まとめ
今でこそ「パステル」という風合いある画材に出会えて本当に良かったなと感じています。自分自身の性根にも凄くマッチしている画材ですね。
ただ、もっと早く自分自身と向き合って、画家として進むべき道は何なのか?を模索していった方が良かったのなあと感じています。結構・・遠回りしてしまったのかな。笑
これから画家の道を志そうと考えている初級者さんにはなるべく後悔をしない画家人生を歩んでいってもらいたいと思いますので、
まずは自分自身がどうなりたいのか?という「ゴール」を決めるところから始めると幾分無駄のない画家人生を歩めのかなと思います。
原画を売って生計を立てる画家を目指すのか?
それともリモートの絵画教室を開いて収入を得るのか?
はたまた画家が活動しやすい海外で活路を見出すのか?
youtube、SNSで描き方の動画を公開して広告収入を得るのか?
まあそもそも趣味で絵を描きたいだけなら何の制限もいりませんね。笑
あなたの進みたい方向によってやり方は様々です。ですのでなるべく早くそのゴールを定めて一直線に突っ走っていってもらえたらなあと思うわけです。
ただそのゴールを定めるのも中々大変ですよね・・笑 お気持ちは痛い程わかります。
そんな時は月並みにではありますが「すでに成功している人」からアドバイスをもらうのが一番です。
最近では絵に関する情報発信者も増えてきましたので、まずは無料で得られる情報を片っ端から見まくって、情報を精査しながらあなたにとって有益なものだけを吸収していって下さい。
余計な情報も結構ありますので。
その後にもし良い出会いがあれば、有料の講座などに入ってもいいと思います。ただくれぐれも怪しい講座にだけは気を付けるようにして下さいね!!
ここまでありがとうございました!!