リアルパステル画を描いているKeigoと言います。作品をちょこっと載せておきます。

 

 

 

 

今回は少しお堅い話になってしまうかもしれませんが、パステル画の発祥って?歴史や日本での現状の位置づけについて、私なりの考えをちょっとお話していこうかなと思います。

 

5分弱で読めると思いますので是非最後までよろしくお願い致します。

 

いきなり堅苦しくなるのも何なので、始めは「現代日本でのパステル画の位置づけ」について解説していきたいと思います!!

 

パステル画の発祥、歴史や日本での位置づけ
1.「日本でのパステル画の位置づけ」

 

まず現代において「画材」という目線で考えると「パステル画」とは、ソフトパステルとパステル色鉛筆中心で描かれた作品のことを指します。これはソフト系の方が発色が良かったり、粉を伸ばして多彩な表現がやりやすいからということになります。

 

 

ちなみにハードパステルは「粉末状にして刷り込んで描く作風」にはまだまだ重宝されていますが、いわゆるパステルを普通に手で持って描く「パステル画」においては、そこまで使われなくなっている気がしますね。

 

また、ハードパステルよりもファンデーションに似た形の「パンパステル」の方が使用人口が増えてきている印象があります。ネットの情報も増えてきましたし、専用の参考書も出てきていますので。

 

 

さあ、日本での「パステル画」としての位置づけについてですが、

 

まず日本での「パステル画」の絵としてのイメージですが、柔らかく美しい色彩が特徴的で、風景画や花鳥画、肖像画などのジャンルでよく描かれています。

 

 

ただ私ぐらいのリアル系となると・・・まだまだネットでも見かけないというのが現状です。

 

 

一番人気のジャンルとしては、上の画像のような型枠を使って描いた「パステルアート」というジャンルになりますね。子供から大人まで幅広く楽しめる手軽な絵画の一つとしても知られています。

 

 

このあたりの話は以下の記事でも詳しくまとめていますので是非ご一読願います。

 

 

特に、近年はパステルアートを使ったアートセラピーが注目を集め、心理療法などにも取り入れられるようになっています。また、一般の人々が趣味として楽しむことも多く、パステル画の教室や展示会なども行われています。

 

 

日本でのパステル画の歴史は、欧米と比較するとまだまだ浅く、19世紀末から20世紀初頭にかけて、欧米からの影響を受けた芸術家たちによって紹介されたとされています。

 

しかし、それ以降は、日本の風土や美意識に合わせた独自の表現方法も生まれ、多くの素晴らしい作品が生み出されています。

 

 

個人的な感想としては、パステル画は日本においてまだまだ発展途上なジャンルだなと感じます。

 

そう感じる理由の1つに「パステル用紙の流通の少なさ」があります。特にリアル系に適した、表面が砂状になった「サンドタイプ」の紙に至っては買える手段が基本はインターネットのみで、さらにメーカーも限られてしまってたりするわけです。

 

欧米では色々な種類のメーカーの紙がネット、実店舗の両方で手軽に購入できるのに対して、日本では特定のメーカーのサンドタイプの紙がネットでのみ購入できるというのが現状です。

 

さらにソフトパステル自体も海外メーカーのものが手に入れにくかったりと、日本はまだまだパステル画の後進国だなと感じます。

 

パステル画の発祥、歴史や日本での位置づけ
2.「パステル画の発祥、歴史」

さあここから「パステル画の発祥、歴史」について著名なパステル画家たちと共にサクッと解説していきます。

 

 

パステル画の歴史は、17世紀に遡ります。当時、フランスやイタリアなどのヨーロッパ各地で、製紙技術が発展し柔らかく薄い紙が作られるようになりました。

オディロン・ルドン作 「アルチュール・フォンテーヌ夫人」パステル

 

 

その影響もあって、この新しい紙には絵具を塗るよりもパステルのような柔らかい画材での色彩表現が向いているということが認識され始め、芸術家たちの間で「パステル」が注目されるようになりました。

 

ジャン・シモン・シャルダン(Jean-Siméon Chardin) 引用:wikipedia

 

「最初のパステル画家」として認知されているのが、17世紀のフランスの芸術家、ジャン・シモン・シャルダン(Jean-Siméon Chardin)です。彼は、パステルを用いて、静物画や風景画を描き、その美しさで当時の人々を魅了しました。

 

「シャルダン婦人の肖像」パステル

 

シャルダンは晩年になるにつれ視力が弱まり始めたので、それからはより色彩豊かな「パステル画」へと移行していったという経緯があります。

 

 

フランソワ・ブーシェ(François Boucher) 引用:wikipedia

 

その後、18世紀に入ると、ロココ様式の代表的な画家であるフランソワ・ブーシェ(François Boucher)が、パステル画による優美で甘美な作品を多く残しました。

 

エドガー・ドガ(Edgar Degas)

 

19世紀に入ると、フランスで印象派と呼ばれる芸術運動が起こり、その中でエドガー・ドガ(Edgar Degas)やマリー・ブラシュカ(Marie Bracquemond)といった芸術家たちがパステル画を用いた作品を発表しました。彼らは、パステル画によって、より柔らかく自由な表現を追求し、色彩豊かな作品を描きました。

 

 

20世紀に入ると、パステル画は現代アートの一分野として位置付けられるようになり、パウル・ゴーギャン(Paul Gauguin)、ピカソ(Picasso)、シャガール(Marc Chagall)、デ・キリコ(Giorgio de Chirico)といった超メジャーな画家たちもパステルを手に持ち作品をいくつも制作するようになりました。

 

 

今日では、パステルは多くの芸術家たちに愛され、その色相の豊かさ美しさと表現力の可能性で多くの人々を魅了しています。

 

 

パステル画の発祥、歴史や日本での位置づけ
まとめ

 

冒頭でもお話しましたが、パステルの中でも特にソフトパステルは発色が良く、伸びも良いので全ての画風に精通している画材と言えます。

 

さらにパステルは「粉の画材」なので、自由に混色ができたりグラデーションをつくることができて、さらに練ゴムで消すこともできるので、まさに万能な画材と言えるわけです。

 

また、パステル画は絵の具のように溶剤を使う必要がなく、揮発性の問題もないため基本的には安全に扱うことができます。

 

個人的には普通の色鉛筆画で重ね塗りに苦労して挫折するぐらいだったら最初からパステル画を学んでいった方が効率的で楽しさもすぐ実感できると思います。

 

ここまでありがとうございました!!