初めまして!リアルパステル画家のKeigo Nです! 濃い顔ですいません・・歳を取りました・・・。
始めに作品もちょいと載せておきます。
この記事では主に初級者さん向けに「パステル画_花びらをリアルに描く1つの方法!」について紹介していこうと思います。
なるべく再現性の高い描き方で描いたつもりなので、是非初級者さんにも実践して頂きたい内容となっております。
モチーフは「花びら」になります。初級者さんがいきなり「複雑な花全体」を描くとなると高確率で失敗してしまいますので、まずは「数枚の花びら」ぐらいからスタートするのが一番入りやすいかなと思います。
この花びらになりますね。制作時間は1時間40分ほどです。
さあまずはスタートからゴールまでの通しの動画を見てみて下さい!!
まあ今回はリアリズムの追求よりも、なるべく初級者さんに「再現性の高い描き方」を提示することを優先して「花びら」を描いたつもりです。ただ勿論一定の「リアルさ」はキープして描きましたので、充分技術の習得には役立ててもらえるんじゃないかなあと思います。
それでは「パステル画_花びらをリアルに描く1つの方法!」について、段階ごとに詳しく解説していきます!!
基本的に動画中心でわかりやすく解説していきますので、是非最後までお付き合い頂ければと思います!!
パステル画_花びらをリアルに描く1つの方法
1.「準備する画材、紙、道具」
まず画材ですが、今回は「パステル色鉛筆のみ」で描いていきます。
私としては「”パステル画”というものは、広い面はソフトパステルで描き、細かい所をパステル色鉛筆で描いて、二つを適材適所で使い分けることで良いパステル画が描ける」と考えている方なのですが、
それでも、モチーフが大きすぎず、超リアルを求めなければ、たまにはパステル色鉛筆だけの作品があっても全然良いかなと思っているので、今回は気楽にパステル色鉛筆のみで描いていこうと思います。
その方が初級者さんも幾分入りやすいかなと思いますので。
さあ具体的な画材ですが、
が揃っていると再現性が高くなるかなあと思います。
紙ですが、今回はパステル用の表面がデコボコした紙を使用しました。サイズはA4サイズがちょうど良いのでA4サイズにカットしました。ケント紙は表面がつるつるし過ぎていて色が乗りづらいので、使用は避けましょう。
おすすめは、世界一ポピュラーなパステル用紙でもある「キャンソン・ミ・タント紙」ですね。こちらはスケッチブックタイプでもバラでも購入が可能です。
ちなみに「キャンソン・ミ・タント紙」を使う場合は、上の画像のように表面のデコボコが規則的に並んでいる方が「オモテ面」になりますので、こちらのオモテ面で描くようにして下さい。
その他の道具はさっぴつと綿棒があれば良いと思います。さっぴつだけでも大丈夫ですね。
「実際に花びらを描いてみたい!」という方のために一応資料を載せておきます。上の画像を保存して、カラーで1枚プリントアウトして手元に置いておくと見やすいですね。
パステル画_花びらをリアルに描く1つの方法
2.「実際の描写」
今回は特に面倒な準備とか抑えておくポイントもありませんので、普通にトレースで線画を転写して、あとは根気強く描いていくというだけですね。
トレースの詳しいやり方は以下の記事で解説しています。
さあこれぐらいの簡単なトレースで大丈夫です。特徴的な模様だけ少しトレースしておくとそれが後々ガイドになってくれるので非常に進めやすくなります。
それではこれ以降、動画中心での解説となります。
まずは、「紫に近いピンク」ぐらいでベースの描き込みをしていきます。一番土台になる超大切な工程ですね。順序としては濃い部分から描いていくと目安になって進めやすいかと思います。
芯先はピンととがっていると描きやすいです。「花びら全体を描いていく!」ぐらいの感覚でどんどん進めていって大丈夫ですね。ある程度、塗れたら指で伸ばしていきます。際きわのところはさっぴつが有効です。また、細かい筋状の模様もこのタイミングである程度表現していきましょう。
ベースがだいたい塗れたら今度は「普通ぐらいの赤」で、パッと見で「濃いなあ」と思えるところに濃さを乗せていきましょう。その後は同じように指やさっぴつで色を伸ばしていきましょう。
真ん中の模様部分から左側にかけて、「濃いワインレッド」でドス暗い感じの濃さを乗せていきます。様子を見ながら少しづつ色を乗せていきましょう。また改めて最初の「紫に近いピンク」に戻って全体的な色の調整も進めていきます。
次に「赤に近いオレンジ」で真ん中の模様の部分を塗っていきます。この辺りは単純に「オレンジっぽく見えたから」ですね。
さあ次が重要なパートですが、「白」で白っぽく見える筋状の模様を描きながら、かつ全体の色合いをマイルドにしていきます。白色を上からそのまま被せることで、「赤系」の色が「朱色」に変化し全体的に自然な風合いに仕上がります。
この感じは是非覚えておいて下さい。今後必ず役に立ちます。白が強すぎた場合は再び、ワインレッドやオレンジを乗せて色を調整していきます。
さらに、端の部分に「普通ぐらいの黄色」で少し筋を入れていきます。
上の花びらが9割方完成したので、このタイミングで下の花びらも描いていきます。手順は上の花びらと同じなので、スタートからゴールまで一気に進めていきます。
次に「普通ぐらいのグレー」で影のベースを描いていきます。少し描いたら指でなじませて、濃さを確かめながら進めていきましょう。花びらとの間に微妙な隙間がありますので、そのへんもしっかり表現してきます。
グレーでベースが塗れたら、次は「普通ぐらいのこげ茶色」を上から被せていきます。そうするとやや黄色がかった雰囲気の影を表現できます。ただちょっと茶色が強かったかな・・・という印象もあるので笑、もう少し弱めでも良いかもしれません。
さあここからは「カランダッシュのパステルペンシル ホワイト 776-491」を使って白の強い部分を表現していきます。この画材は白色の濃度が高いので、重ね塗りした上からでもはっきりとした白線をひくことができる優れものなんですね。是非1本持っておくことをおすすめします。私は世界堂さんで購入しました。
現状で「もっと白が乗った方がいいな」と感じる部分が必ずあると思いますので、その辺を描き込みつつ全体的な不足部分も埋めていきましょう。
最後の最後に輪郭線を改めて描き直すと、花びらの形がぐっと浮き出てきて絵が締まります。かなり重要な工程になりますので、あなたの今後の制作の中でも最終チェックの1つとして取り入れるようにして下さい。絵の質が上がります。
ただ描きすぎたり、筆圧が強過ぎたりしないよう慎重に描いていって下さい、やり過ぎるとわざとらしくなってしまいます。
さあ切りの良いところで完成とします。
パステル画_花びらをリアルに描く1つの方法
「まとめ」
さあ今回の「花びら」はいかがでしたか?
色を乗せていく工程もそんなに複雑な感じはしなかったかと思うので、初級者さんでもマネして描いてもらえるんじゃないかなと思います。あくまで最初は「平均的なベースの色を乗せていく」というスタートから入り、あとは資料をじっくり見ながら徐々に徐々に色合いを詰めていく、という進め方で良いと思います。
上の花びらと下の花びらとで、全く同じ描き方で描けますので是非この機会に「描き方のパターン」みたいなものをつかんでもらえたらなあと思います。そうすれば次に花を描く時には格段にスムーズな入りができると思いますので。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました!!
花びらの他にも「草原」や「シャボン玉」や「猫の目」の描き方なんかも記事にしていますので、良かったら見てみて下さい!!