まだまだ非力ではありますが、約20年間どっぷり「絵を描くこと」に浸ってきた身として、これからパステル画を描く人に絶対にお伝えしておきたいことは、

 

 

「パステル画を始める人は、まずはパステル1画材に注力すべき!!」ということです。

 

 

その理由は、

 

・圧倒的に画風が定まりやすく、画力も伸びやすいからという点です。これを私なりに深堀していきます。

 

 

ごあいさつ遅れましたが、私はリアルパステルアートを描いているKeigoと言います! パステル作品を数点のせておきます。

 

 

 

 

 

 

それでは解説していきます。5分ほどで読み切れると思いますので。

 

パステル1画材に注力すべき理由
1.「画風が定まりやすく、画力も伸びやすい」

 

「絵を描きたい!」という気持ちを逆算すると、「こんな絵を描けるようになりたい!」という理想の絵に必ず行きつくと思います。

 

 

その理想の絵というのものが、それぞれの「求める画風」ということになってくるのだと思いますが、まずは「パステル」という1種類の画材を追及することで圧倒的に「求める画風」が定まりやすくなると私は考えています。

 

 

あえてパステル以外の画材でお話しすると、例えばあなたがアクリル絵の具1種類に絞って絵を描いていくと仮定します。始めは慣れるのに苦労すると思います。

 

 

しかし、1種類の画材に集中して絵をかいていくことで、その画材の「特性」というものを理解できるようになります。

 

 

アクリルなら例えば、

 

乾きが早い

重ね塗りに適している

水に溶けやすい

 

 

こういったことを感覚で理解できるようになります。そしてこの特性の理解が次に「技術」へと変化します。

 

 

乾きが早い → 素早く塗る技術が身に付く

重ね塗りに適している → 色の調節(混色)の技術が身に付く

水に溶けやすい→水彩のようにぼかす技術が身に付く

 

 

上記のように特性を理解することで技術の向上に直結しやすくなるのです。そうなれば徐々に自分の描きたい絵をそのままに描けるようになっていき、やがては描きたいものが描けることで「画風が定まってくる」という明快な道筋を歩めるようになるのです。

 

 

 

例えば、アクリルで「リアルな風景画を描こう」ということになったとします。そうなると当然、山や木や葉や空をリアルに描かなければなりません。

 

 

その為にはアクリル絵具という画材をしっかり扱えなければなりません。そうでなければリアルな表現ができません。

 

 

となると1種類の画材にたくさんの時間を費すほうが習得も早まりますし、自然と「リアルな絵」としてのレベルも高まっていくことになりますし、ひいては画風も定まりやすくなるという相乗効果を生み出せるようにもなってくるのです。

 

 

上記全てのことをシンプルにまとめると、

 

1種類の画材に絞って絵を描く

その画材に慣れる程、理想の絵に近づける

画風が定まる

 

ということになります。これは非常に単純明快な流れなのです。

 

 

 

ですので、パステル画を始めたばかりの初級者さんは、まずはパステルのみに注力して「パステル」という画材の特性をじっくり学んでいくことを優先させるべきです。

 

 

 

確かに「パステル」と言う画材は水彩色鉛筆を絡ませたり、ジェッソを混ぜて「パステル絵具」を作って面白い表現をしたりと、やり方自体は無数に存在して色々とやりたくなる気持ちもわかりますが、

 

 

まずは「軸」であるパステルの技術を磨いていき、基本の画力を身に付けていきましょう。

 

 

パステル1画材に注力すべき理由
2.「時間効率化とモチベUPにもつながる」

 

実は何を隠そう・・私自身が今まで色々な画材に手を出してしまった画家の1人です。笑

 

 

鉛筆、色鉛筆、つけペン、ミリペン、アクリル、アクリルガッシュ、油絵、水彩、デジタルと色んな画材に中途半端に手を出してきてしまった為、画風を定めるのに相当苦労をした経験があります。

 

 

もしあなたがこれから働きながらパステル画を学ぼうと考えているなら、ある程度のレベルにもっていくまでには1年ぐらいは必要になるかと思います。まあザックリの期間ですが。

 

 

そうなると例えば、パステルもやりながら、色鉛筆もやりながら、水彩もやるということになると、5、6年はあっという間に過ぎ去ってしまうんですよね。経験者の私が言うぐらいなので確かなことです。

 

そして結局は、画風も定まらず画力も伸びないという最悪な状況になってしまう陥ってしまうのです。

 

そうならない為にも、なおさらパステル1種類に絞って絵を描いていった方が、明らかに画力向上の時間効率化も見込めますし、モチベーションの維持にもつながりますし、何より絵を描くことが楽しくなるのは明白なことです。

 

 

そして納得いく作品も確実に増えていくことになるはずです。

 

 

 

パステル1画材に注力すべき理由
3.「初期段階は色々な画材に触れるのもOK」

 

今まで述べてきた通り「パステル画を描く!」と決めたなら、もうその時はパステルのみに絞って絵を描いていくことを強くお勧めします。

 

 

とは言え、この記事を読んでくれているあなたも「まだパステルをガッツリやるかどうかわからない」ということもあると思いますので、その場合はまずは「色々な画材に触れる」ということで全く問題ないです。当然色々な画材に触れないと何が自分に適しているのかわからないので。

初めのうちは好奇心旺盛なぐらいで「色々な画材で絵を描く喜び」というものを存分に味わう方向で良いのだと思います。

 

 

焦らずに自分の相性に合う画材というものを見極めていき、その中で「これだ」と思う画材に出会った時はもうブレることなく1種類の画材に突き進んで絵を描いていってもらえればと思います。

 

 

そして、その後、確固たる画風が確立されたらその時に初めて、他の画材にも移行してみると、また違った可能性を絵に見出せるようになってくるのではないかと思うのです。

 

 

まずは、自分に適した最強の武器=画材を見つけることが最重要です。

 

 

パステル1画材に注力すべき理由
4.「1種類の画材で成功したアーティスト」

 

さあパステルに限らず1種類の画材に絞って大成功した画家さんを紹介していきたいと思います。

 

 

私の知り合いの画家で、アクリル絵の具を武器に世界を渡り歩いてきた超人的な画家がいます。

 

 

 

その画家は基本アクリル絵の具のみで絵を描きながら、世界を回り知識を得ながら画力を身につけてきた旅人兼画家の人です。

 

 

そして、自分にしかできない表現を絵に取り入れることで「自分の画風」というものを確立しました。

 

 

その結果、世界に5人のクライアントを持つまでに成長し、国内にも数多くのファンを抱えるようになり、今では南国で自由気ままに絵を描く生活を送っているようです。

 

 

またハワイでライブペイントをしている際、その絵を見た中国人から2000万円で絵を売ってほしいと打診されたこともあるようです。

 

 

こういった大成功を遂げた例も存在します。

 

 

ちなみに、その画家の教え子である別のアクリル画家の人も、「スマホで学べる絵画教室」というオンライン絵画教室を立ち上げ、現在数百人の受講生を抱えるまでに成長したとのことです。

 

最近はこの「オンライン絵画教室」を開講し、収入を得ている画家も増えてきているようです。

 

 

 

 

また、海外を見てみると、鉛筆系(鉛筆、色鉛筆)の画材のみでリアルな人物画を描く、Heather Rooney(ヘザー・ルーニー)というアーティストがいます。もはや世界的にも有名な方ですよね。

 

このアーティストのyoutubeチャンネル登録者数はこの記事を執筆している現在で130万人を超えています。となるとおそらく広告収入だけでも十分な収益を上げていると思われますし、作品レベルの高さから、多くのオーダーを受けていることも間違いはないでしょう。

 

 

このアーティストはメイキングの中で顔が出てきますが、まだまだ年齢的に若いアーティストだと思われます。となると、おそらくある時期から鉛筆系の画材1本に絞って絵を描いてきたのだろうという予測が立てられます。

 

 

そうでなければ、この若い年齢でこれほどまでの腕を身につけることは時間的にもほぼ不可能だと思われますので。

 

 

このように、1種類の画材に深く精通し、その画材のスペシャリストになることで作品のオーダー技術の伝達広告収入など、様々な形で収益につなげることが可能となるわけです。

 

 

パステル1画材に注力すべき理由
「まとめ」

少し違った切り口で考えてみると、例えば「イラストレーター」の場合、いくつかの画材のバリエーションを持っていた方がクライアントの受けが良いという話をたまに聞きますが、自分が通っていた専門学校の講師いわく、

 

「まずは基本となる得意な画材=武器を身につけることを優先した方が良い」とのことでした。やはり、まずは「1種類の画材をしっかり扱えるようになる」という考えが絵描きにとって基盤になることは間違いなさそうです。

 

 

これから、パステル画を描いていきたいという人は、私のように遠回りをせず可能な限り早い段階でパステル画のスペシャリストになってもらえればと強く願っています。