
昔は、「絵が下手だなあ、描いても描いても上達しないなあ」と悩んだ時がありました。
ちょうどその頃からYouTubeで絵のスタートからゴールまでを早回しで見せる「タイムラプス動画」が話題になり始めました。
私も後学の為、海外の実力者たちのタイムラプス動画を食い入るように見まくっていました。そのこともあってか余計に自分の非力さを痛感する毎日でした。
「他人と比べてちゃ駄目だ」と頭ではわかっていても、心までは中々制御が利きませんでした。
そんな時私は自分自身を俯瞰し、「原点に返り自分らしい絵を描けばいいのだ」という方向に180℃考えを転換することにしました。
この時の方向転換は今でも私の礎となっていることは間違いありません。
それからはわりと毎作品、毎作品、自分らしい「攻めた絵」を描けるようになりました。
しかし、ふとした時にまた「この絵は自分らしい絵なのか・・・」と考え込むようになりました。絵というものは中々言うことを聞いてくれません。
描いては悩み、描いては悩みを繰り返す日々が訪れました。負のループでした。
私はある作品を描いた時「また駄目か・・・」と思いやけくそになり、その絵を部屋の隅に乱雑に放りました。
そこから、また数か月経った頃、別作品を描く合間にふと部屋の隅に乱雑に放った例の絵を眺めてみました。
すると不思議なことに「この絵アリだなあ・・・」と素直に思えたのです。
不思議な感覚でした。
数か月前とはまるで見え方が変わったのです。もちろん絵が変わったのではなく、絵を見る自分自身が変化したことになります。
なぜそうなったのか?
おそらくその間にも休まず絵を描き続けたことで著しく画力が上がったことと、
何より、一旦その絵から離れたことで、フラットな目線に戻ることが出来たからだと思うのです。
つまり結果的に「絵を寝かせた」ことにより、自分の中で絵を許容する範囲が広がったのです。
この時の感覚は本当に新鮮でした。この時の詳しい話は下の記事で解説しています。
それ以降、何も焦って絵の良し悪しの判断を下さなくても良いのだという余裕が自分の中で生まれたのです。
絵は時に気楽に、肩の力を抜いてフラットな目線で見てみると「見え方」がガラッと変わることがあるということなのです。
頑張って描いた絵が納得いかないという場合は一旦「絵を寝かせる」という考えを取り入れてみるのもいいのではないかと思います。
ご参考までに。