
私は約10年の間、絵にどっぷり浸かってきました。たかだか10年ですが、濃密な10年間を過ごしてきた自信はあります。
一定レベルの鉛筆画の技術は身に付けることができたのではないかと自負しています。
この10年間の画家活動を振り返ると、
「あの時の決断、選択は正しかった」
「どう考えてもあれはやらなくて良かった・・・」
等々、良くも悪くも色々なノウハウが溜まりました。
これから絵描きを目指す、または絵描きを目指したばかりという初心者の人達へ、
私が10年間で経験した「画家活動において、必要だったこと、不必要だったこと」をいくつかまとめてみました。
見出しだけでもサラッと目を通してもらえれば、必ず今後の絵描き人生に役立つはずです。
全文を読んでも4分程で読めるよう、まとめてみました。
あくまで私の体験談です。
必要だったこと1「夜間のイラスト専門学校」
私は29歳から本格的に絵の道を志しました。独学のみは危険だなあと考えたので、
バイトをしながら原宿の東京デザイン専門学校のイラスト夜間コースに通い始めました。
この一年間は「必要」というより「必須」と言って良い一年間でした。
その理由は
fa-caret-right現役のプロから絵の基礎的なことを学べた
fa-caret-right卒業後も相談できる講師とつながれた
fa-caret-right多くの仲間から色々な刺激をもらえた
fa-caret-right1年のうちグループ展を3回も開催できた
fa-caret-right卒業後、ある程度の「絵描きとしての自覚」が生まれた
からです。
不必要だったこと1「過剰に公募展に出品したこと」
専門学校卒業後は、自分の画風確立を目指しつつも、早く絵で何かしらの成果を挙げたいと躍起になり、
過剰なまでに倍率の低い公募展を探し出品を重ねていました。
かなりの出費でした。
確かに公募展で大賞を受賞し有名になる人も極少数いるにはいますが、結局はその後も自分でチャンスを広げられる人間でないと、また振り出しに戻ってしまうという話もよく聞きます。
そもそも「公募展」というものは、「誰かに引き上げてもらうことを前提とした画家活動」ということが言えると思います。
今思うと、もっとブログのような「個人メディア」を使って自分自身を発信していったり、アートイベントのような直接お客さんと触れ合える機会に金をつぎ込んだ方が、よっぽど何かの有益な出会いがあったのではないかと後悔しています。
とは言え、一つの手段として捉えるなら公募展もアリかなとも思いますが、「公募展のみに画家活動の軸を絞る」となると、それはもう非効率以外の何物でもないと確信できます。
必要だったこと2「イラスト名鑑への掲載」
公募展に出品しながら、「イラスト名鑑」にも数回掲載してもらいました。有料ですが。
おすすめのイラスト名鑑については以下の記事で解説しています。
イラスト名鑑に掲載してもらってから1週間後、とあるエージェント会社の人から「会社員としてイラストを描くというお考えはありますか?」
という電話がかかってきたことがありました。驚きました。
ただその時はあくまでフリーランスでやっていきたいと考えていましたし、
当然その会社への採用が確実というわけではなかったので話は断ってしまいましたが、改めてイラスト名鑑を通じて多くの人が自分の作品を見てくれているんだなあという実感が持てました。
海外のアート団体から展示の依頼が舞い込んできたという人もいるようですし、絵描きとしてはまず自分の作品を多くの人に見てもらうことから始まると思いますので、そういった意味では根本的な前進にはつながるはずです。
今でも掲載料は無駄ではなかったと感じています。
不必要だったこと2「色々な画材に手を出したこと」
これが一番伝えたかったことです。
どう考えても一つの画材に特化した方が、早い段階で「理想の絵」に近づけることは明白です。
「色々な画材に手を出したこと」が不必要だったと感じる理由
fa-caret-right画風が定まりづらい
fa-caret-rightモチベーション低下につながる
fa-caret-right時間効率化を見込めない
fa-caret-right収入の可能性が遠のく
詳細はこちらの記事でまとめていますが、
私は、鉛筆画、色鉛筆画、アクリル、アクリルガッシュ、水彩、油絵、ペン画、デジタルと
中途半端に色々な画材に手を出してきてしまったので、画風を確立するのに本当に苦労しました。
それが一番きつかったです。
なぜ色々な画材に手を出してきてしまったかというと、単純にその方が絵描きとしてのステータスが上がるような気がしたからです。
しかし、上記で挙げた理由からその考えは間違っていたのだと今では強く感じています。気づくまでにだいぶ・・・時間がかかってしまいましたが。
当然、絵を学び始めた段階では色々な画材に触れるべきだとは思いますが、ある程度の経験を積んで「これだ」という画材を見つけたなら、
その時はもうブレることなく、一つの画材に突き進んでもらえればと強く願います。