
目次
【水彩色鉛筆画 リアルな金髪】前書き1
水彩色鉛筆で「リアルな金髪の描き方」を初心者さんに向けて解説していきます。
まずマインド面の話になりますが、髪は「目、鼻、口、顔とは違う質感の部位」という認識を持つところからスタートすると、幾分入りやすいかと思います。
逆にここを混同してしまうと、目、鼻、口、顔と同じ流れで手を動かしてしまう為、髪特有の質感を上手く表現できないということになってしまいます。そこだけ注意が必要です。後は根気勝負です。
ちなみに「鉛筆でのリアルな髪の描き方」については下の記事を参照願います。
【水彩色鉛筆画 リアルな金髪】前書き2
今回解説する「金髪の描き方」についてですが、私が以前に運営していた「オンライン絵画教室 セピア人物画講座」の教材の一部となっていますので、
本来は有料の講座ゆえ・・全工程を全て事細かに解説・・・とまではいきませんが、
せっかくこの記事にたどり着いて頂いたので、できる限りは重ね塗りのコツなど重要なポイントをお伝えしていけたらなと思います。
それではスタートしてきます。
【水彩色鉛筆画 リアルな金髪】道具と描き方の基本
「道具について」
まず描画材ですが、今回は「水彩色鉛筆 スタビロアクアカラー」を使用しました。
リアル系なら「カリスマカラー(旧名プリズマカラー)」や高級メーカー「カランダッシュ ルミナンス」等、他にも候補があるかと思いますが、
ただ、水彩色鉛筆も質の良いメーカーを使えば充分リアル系も表現できますので、その辺りの裏付けも実際の描写をもって証明していければなと思います。
用意する道具は以下になります。
- 色鉛筆 「黄土色」 2本あれば尚可
- 色鉛筆 「こげ茶色」 1本
- 色鉛筆 「黄色」 1本
- 色鉛筆 「紫色」 1本
- 固形の消しゴム
- ノック式消しゴム
- ティッシュ
- 綿棒
- 髪の資料
※資料の参考サイト
「描き方の基本」
描き方の基本ですが、
という流れになります。あくまで基本の流れですが。
一つ重要な補足として、黄土色のベースの段階で、濃い箇所は少し筆圧強めに濃く描いてしまった方が、後々、隣り合う髪の濃淡を捉えやすくなります。
「いかにベースの黄土色の段階で緻密な描き込みができるか」という点にかかってきます。
それではいくつかの画像とともに実際の描き方を解説していきます。
【水彩色鉛筆画 リアルな金髪】描き方
手順1「トレース」
今回は下の少女の髪を描いていきます。輪郭線は「トレース」にて転写していきます。トレースのやり方は【トレース方法】で解説しています。
これぐらい▼までしっかりトレースしていきます。(もっと細部までトレースしても良いかもです)
トレースのポイントは、「強い光の部分」と「強い影の部分」はしっかり目にトーレスするということです。
要は「特徴的な形」を最初に目印としてトレースしておけば、わかりやすい「ガイド」になってくれますのでその後の描写が格段にやりやすくなります。
手順2「黄土色でベースを描く」
資料とトレースした線を頼りに、「黄土色」で全体の髪の流れ、形を描いていきます。濃い部分は筆圧強めに描き、光の部分はさけつつ描いていきます。髪は根気勝負です。
これぐらい▼まで描き込んでいきます。
手順3「こげ茶色で濃さを表現する」
次に資料を見つつ濃い部分を「こげ茶色」で表現していきます。芯先はしっかりとがらせおきましょう。
明るい部分は避けながら濃さを乗せていきます。
これぐらいまで濃淡を描き分けていきます。
手順3「紫色で濃さの深みを、黄色で明るさを表現する」
意外かもしれませんが「紫色」を使うと茶系統の色合いにおいて「濃さの深み」を表現することができます。
濃さを出したいからと言って筆圧強めで「こげ茶」ばかり使ってしまうと、それただの「濃い茶色」になってしまい、風合いがでてきません。
紫色と並行して「黄色」も入れつつ明るさを表現していきます。時には「こげ茶」に戻って中間色も表現してきます。
これぐらい▼まで明暗の階調を整えます。
手順4「こげ茶色、紫色で顔との境界線を表現する」
資料を見つつ、顔との境界線をしっかり濃くしていくと一気に髪の立体感が増してきます。非常に大切な工程です。
今一度、資料を掲載しておきます。
「こげ茶色」で境界線を描いてから「紫色」を乗せていくと深みのある濃さを表現できます。
境界線を描きつつ髪にも「紫色」を乗せていきます。
「こげ茶色」や「黄土色」でやや濃い部分なんかも忠実に表現していきます。ここまでくるとかなり濃さが乗ってきたことを実感できると思います。
手順5「ホルダー型消しゴムで強い光を表現する」
次にホルダー型消しゴムで強い光が当たった髪を繊細に表現してきます。
ホルダー型消しゴムの先をハサミでカットして鋭角にするとさらに細い光の線を表現できます。
手順6「全ての色を使って最後の仕上げ」
最後は資料を見つつ、色味や濃淡を仕上げていきます。
ぼやっと光が当たった部分なんかは、折りたたんだティッシュの角で強めにこすって表現すると効果的です。
少し飛びますが、右側の髪もほぼ同様の手順で進めて、完成となります。
【水彩色鉛筆画 リアルな金髪】まとめ「重ね塗りについて」
髪を描く時はあまり「横の動き」や「斜線のイラストっぽい動き」は入れないようにして下さい。リアルさの欠如につながります。
今回はすこし説明を省いてしまった部分もありますが、基本的な流れや重ね塗りについての重要ポイントはしっかりとお伝え出来たと思います。
今回の髪は「黄土色」をベースの色として置いていきましたが、この「ベースの色を何色にするのか?」というところでその絵の風合いは大きく変わってきます。
例えば絵全体のベースを「黄色」にした場合は、こんな感じの▼黄色強めのセピア調の絵に仕上がります。
ですので一番下に敷く色というのは、その絵の風合いを決定する色になってくるので、今後は是非その辺りの意識を持って制作を進めてみて下さい。
ご参考までに。